かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:朝比奈隆と大阪フィルハーモニー交響楽団によるベートーヴェン交響曲全集3


第3集は第3番「英雄」が単独で収録されています。実はこの全集、こういった単独収録が多いんです。この「英雄」に限らず、おそらく有名曲はほぼ単独収録だったと思います。

さて、この第3番はそれほど朝比奈節全開かなと第1楽章を聴いただけでは思うんですが、それがだんだん朝比奈節全開になってきて、収録時間はなんと57分!ほぼ1時間です。たいていの演奏が多少ゆったり目のテンポだったとしても55分以内、大体50分前後で収録されているのに、この演奏はなんとほぼ1時間、なわけです。朝比奈節全開じゃなければここまでかかりません。

例えば、スウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンの演奏は実はこの朝比奈隆指揮大フィルよりも第1楽章は時間かかっています。なのに総演奏時間は52分です。いかに朝比奈節が全開か、想像つくというものでしょう。

ですが、それがいかにも心地いい。勿論、総じてこの解釈に対しては私自身は好むものではありません。しかし、いやには全然感じないんですよね、不思議に。そこが朝比奈隆という指揮者の才能だと言ってもいいでしょう。勿論、大フィルの団員達の技術もあります。

これだけの芸術を、詰った人がいます。元大阪府知事にして、元大阪市長である橋下徹です。芸術というものがどのようにして成立しているかに無知であるにも関わらず、大フィルの団員達をなじったことは、永遠に負の遺産として語り継がれることでしょう。真に批判しなければいけなかったのは団員達ではなく事務局です。それを間違った橋下氏が、コスコカット程度しかできなかったのは自明の理でしょう。しかもそのコストカットにより、Covid-19の猛威に全く対応できなくなってしまっているのはもう滑稽としか言いようがありません。

大フィルの芸術が何たるかがわからないような知事がいる限り、大阪の悲劇は続くことでしょう。朝比奈隆の譜読みの深さも理解できない政治家は、退陣して当然であったと言えるのです。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
朝比奈隆指揮
大阪フィルハーモニー交響楽団

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