東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリである、カール・シューリヒト指揮パリ音楽院管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集をとりあげている4回シリーズ。その第2回である今回は、第2集を取り上げます。
第2集では第2番と第7番が取り上げられています。まだ聴覚に異常がない時代の作品と、異常が進み、ピアノに耳をつけるほどじゃないと音が聞き取れない程度になってしまっている状態の作品とが並んでいます。まあ、演奏時間の都合上ではあるでしょうけれど。
とはいえ、第2番なら第8番をカップリングするという選択もあったはずですし、あるいは番号順に1番と、という選択もあったはずです。ですが、ここでは7番が選択された・・・・・なぜだろうと考えるのが私なのですよねえ。
まあ、そんなことは置いておこうと思うくらい、第2番はアグレッシヴな演奏ですし、第7番はむしろリズムを強調させるかのようにどっしりとした演奏になっているのは面白いと思います。この二つとも、結構私が好きなテンポであるのも好印象~
それでいて、とにかく歌うオケ。ベートーヴェンの交響曲には精神性という高尚なものしかない!という演奏も数々ある中、いやいや、精神とは、魂とは、喜びを含むものでは?というシューリヒトとパリ音楽院管のメッセージすら感じるのはわたしだけなのでしょうか?
この第2集では、音質もいいのがさらに好きな点です。もちろん、録音は1950年代後半のステレオですから現代のハイレゾに比べれば、ですが、それでも疑似ハイレゾであるDSEE HXをかけて聴きますと、実につやがあることに気づきますし、またロケーションの「空気」も感じられます。おそらく、この第2集はそれほどレコーディングエンジニアがイコライザかけていないかな?という気がします。残響が若干短めなんですよね。その分、全体的な臨場感はこの第2集のほうが強く感じられます。
ハイレゾというのは、このような時本当にいろんなことを暴露するという気がします。
聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第2番ニ長調作品36
交響曲第7番イ長調作品92
カール・シューリヒト指揮
パリ音楽院管弦楽団
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