かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ラトルとウィーン・フィルによるベートーヴェン交響曲全集3

今月のお買いもの、令和3(2021)年7月に購入したものをご紹介しています。ディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるベートーヴェン交響曲全集、かつて「東京の図書館から~府中市立図書館」で取り上げたもののうち、リッピングできずにご紹介していない演奏を取り上げています。今回は第3集に収録されたうちの、交響曲第6番「田園」を取り上げます。

以前第3集を取り上げたとき、第4番の演奏から、さぞかし第6番は素晴らしい演奏だったのだろうと予測しました。今回聴いてみて、その予測は見事に当たりました。

速いパッセージにおけるテンポアップは興奮するくらい!正直、オリンピックよりも興奮しました。まさにベートーヴェンの「魂」にフォーカスした演奏だと言えるのではないでしょうか。

というのも、そもそも交響曲第6番は標題音楽とされますが、そこからつい風景を描いた作品だと勘違いしがちです。勿論その側面はありますが、むしろ風景を見たベートーヴェンの心象風景を、現実の風景を借景として描いたものと捉えるべきだと私は思っています。ラトルのタクト、そして解釈はまさにその私のとらえ方ドンピシャ!なのです。

第4番の、まるでクライバーを髣髴とさせるような快速ぶりは第3楽章以降。むしろそこまではゆったりと音楽が流れていきます。それでも盛り上がるところの情熱的演奏は、まるでベートーヴェンが美しい風景を見て自身の魂が喜んでいる姿を描いて見せたかのようです。

一方、第3楽章はゆったりとしつつも第4楽章の激しさを予測させるようなエネルギーを内包。第4楽章で嵐が襲来、まるで日本の雷雨のような激しさ。どうか水害になりませんように!

そして最後の第5楽章で、平安が訪れます。無事水害まではならずに落ち着いた自然が取り戻され、その壮大さ、そして壮麗さに魂が喜びを感じている様子が描かれます。うーん、どこをとっても非の打ち所がない!

もちろん、とても細かい部分ではアレ?と思う点もいくつかあるんですが、しかしそれは最後まで聴いてしまうと全く気にならず、むしろlこの演奏に必要欠くべからざるものとして配置されているようにすら思えます。勿論名門ウィーン・フィルという手兵のおかげもあるでしょうが、ラトルの生命力あふれる解釈は、この「田園」という曲の本質をズバリ描いたものであると確信します。これぞ名演と言えるでしょう!

ま、だから聴きすぎてリッピングできなくなってしまったのでしょうけど・・・・・それはわかるんですが、だからこそ、やはり大切に扱ってほしいものです、CDは。

さて、この曲は第3楽章から第5楽章が連結されていますが、どのようにして聴いているんですか?という疑問がある方もいらっしゃるかと思います。ハイレゾ相当にしてCDを聴こうとすれば残念ながらギャップが楽章間で入ってしまいます。そのままCD音質で聴けばそんなことはないですが、この素晴らしい演奏はハイレゾ相当で聴きたいと思いましたので、CDexにて第3楽章から第5楽章を連結してflac可逆圧縮してリッピングの上、ソニーのMusic Center for PCにてDSEE HXを動作させて聴いています。これならギャップなしに192kHz/24bit相当で聴けることになります。

実際は、分割しても大丈夫そうなのですが・・・・・実は先日取り上げたパーヴォ・ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィルによるシベリウス交響曲第2番はWAVで、第3楽章と第4楽章は分かれていますが、問題なく聴けています。ただそれが同じソニーXperiaだとギャップが発生してしまいます。この辺りはまた別途エントリを立てて述べたいと思いますが、どうやらメモリの容量にその原因を求めることができそうです。現状では以前mp3を聴いていた時のようにつなげておき、スマホの性能がアップしたときには楽章ごとにファイルを分けるという方法も、あるのかもしれません。

いずれにしても、この演奏はハイレゾ相当にして聴けばさらに臨場感と情熱が伝わる素晴らしい演奏!ffにおいて多少音がビリビリ気味になるのは気になりますが、それはおそらく私のスピーカーの性能のせいでしょう。魂の感動を情熱をもって演奏する姿は、必聴であると断言します。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
サイモン・ラトル指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(EMI Classics 3 19400 2)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。