かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ベルグルンドが振るシベリウス交響曲全集と管弦楽作品集3

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリである、パーヴォ・ベルグルンドが振るシベリウス交響曲全集と管弦楽作品集の今回は第3集を取り上げます。

第3集には交響曲第2番と第5番、そして交響詩フィンランディア」が収録されています。交響曲第5番以外はメジャーな作品だと思いますが、この第3集で素晴らしいのは第5番の演奏であると思います。

もちろん、第2番の壮麗でかつ力強さもいいですし、フィンランディアの「歌い上げる様子」もこれまた素晴らしいのですが、第5番は、祝祭の音楽であるはずなのにどこかくらい面も散見される作品です。勿論暗さもあるのですがこの演奏はこの作品が祝祭の作品なのだということをしっかりと捉えられる演奏である点が優れています。

となると、この第5番という作品は、フィンランドの人じゃないとわからないセンシティヴな部分が多分に含まれている可能性が高い作品だ、と判断できるでしょう。勿論普遍性もあるので海外のオケや指揮者でもいい演奏になるかと思いますし、その代表がブロムシュテット指揮サンフランシスコ響だと思っています。あの演奏を取り上げたときに第5番は暗い部分もある、と書きましたけれどブロムシュテットはむしろそこにフォーカスしていたように思います。

一方、このベルグルンドのタクトはむしろ、明るい祝祭のほうに目が向けられていると思います。では暗い部分がなおざりにされているのかと言えばそうではなく、暗い部分もしっかり浮かび上がっています。その総合的な作品が第5番という作品であるということを、聴いていて自然と心にしみわたらせる演奏になっているのが素晴らしい!

確かに、番号順というか、作曲された順番で並べれば第2番、第5番となりますが、それは意図してそうしたように思えるのです。つまり第2番よりは第5番の魅力に耳を傾けてほしい・・・・・そんな気がするのです。最後に「フィンランディア」を持ってきている、という点でも。

もちろん、これは一見しますと普通のアルバム構成のようにも見えますので、そこまでは考えすぎかもしれません。しかし、私にはこの「曲順」には意味があるように見えるのです。第5番にこそ、シベリウスの本質が詰まっているから、というメッセージが・・・・・

 


聴いている音源
ジャン・シベリウス作曲
交響曲第2番ニ長調作品43
交響曲第5番変ホ長調作品82
交響詩フィンランディア」作品26
パーヴォ・ベルグルンド指揮
ヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団

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