かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ベルグルンドが振るシベリウス交響曲全集と管弦楽集4

さて、退院後初にお届けするエントリは、東京の図書館からシリーズ。小金井市立図書館のライブラリである、パーヴォ・ベルグルンドが振るシベリウス交響曲全集と管弦楽撰集の第4集です。

第3番と第6番、そして「タピオラ」が収録されていますが、第3番だなんてなんとタイムリーな・・・・・第3番は、精神的に苦しみ病んだシベリウスが回復した喜びを表現した作品だと言っていい作品です。そんな作品を、Covid-19による感染症で入院し、回復して退院した私と、何度聴いてもダブるんです。

今は退院して自宅に居りますが、まだまだ苦しい状態が続いているのも確かなんです。危機的状況を脱しただけで、まだまだリハビリが必要なフェーズで、なかなか仕事へ復帰というわけにもいかない状況がつづいています。それでも、ああ、生きている、多少息が苦しくても朝しっかり起きられていますし、体が重くて仕事へも行けないということはないんだ、と思うだけで喜びがあふれ出てきます。

そんな自分の喜びが、第3番の第3楽章とどうしてもダブるんですよね。第6番も決して暗い作品ではないだけに、どうしても自分の喜びと重なります。

そのうえで、タピオラは単に透明感があるだけではなく、むしろその作品に人の血が通っているように聴こえるだけに、さらに自分の退院の喜びと重なっていきます。

もちろん、これはたまたまなんですが、それにしてもタイムリー過ぎるよなあ、と思います。実際には8月の半ばにはエントリを立てる予定だったものが、入院により9月初旬へとずれ込み、退院の時期と重なるなんて予想などしていません。そもそも感染を予測するなんて、だれができましょうや。しかも自分自身のを、です。

退院後、どんな音楽を聴くんだろうと思って、一応Music Center for PCを立ち上げ、内容を調べてみたら、なんと1曲目がシベリウス交響曲第3番だったなんて・・・・・もちろん、これ、8月半ば、入院前に原稿を書くために聴いていた演奏です。ですので狙ったわけでは決してありません。ですが、本当にタイムリーであり、しかもベルグルンドの冴えるタクトによる演奏でなんて、タイムリー過ぎる内容です。

単に癒しというのではなく、むしろ共感というほうが正確なのではないかと感じるベルグルンドのタクト。オケは交響曲ヘルシンキ・フィルで、「タピオラ」がフィルハーモニアですが、どちらもしっかりと歌われるオケが魅力的。しかも、「タピオラ」はDSEE HXを動作させて聴きますと、ホールの残響すら「歌」として取り込み、作品の生命を明らかにしている点は本当に素晴らしく、思わず引き込まれていきます。多分その素晴らしいタクトが、私をして作品の世界と自分自身とを重ね合わせ、じんわりと感動しているのではないかと思います。

 


聴いている音源
ジャン・シベリウス作曲
交響曲第3番ハ長調作品52
交響曲第6番ニ短調作品104
交響詩「タピオラ」作品112
パーヴォ・ベルグルンド指揮
ヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団
フィルハーモニア管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。