かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ラトルとウィーン・フィルによるベートーヴェン交響曲全集4

今月のお買いもの、令和3(2021)年7月に購入したものをご紹介しています。今回は府中市立図書館のライブラリでは音飛びして聴けなかった、ベートーヴェン交響曲全集のうち、第7番をご紹介します。ディスクユニオン新宿クラシック館での購入です。

とはいえ、この第4集は第7番と第8番が収録されており、結局第8番も聴いていますが、フォーカスするのは第7番にとどめ、第8番はその関係性で語ろうと思います。というのも・・・・・

これほど生きのいい第7番の演奏を聴くのも、久しぶりのような気がします。とはいえそれほど快速テンポであることもないのですが、それであってもリズムを強調しつつもそれに嫌味がない第1楽章は、確実に聴衆である私の魂をわしづかみにします。

第2楽章の緩徐楽章もゆったりですがリズム感がいいですし、第3楽章以降は情熱がヒートアップ!ですがテンポとしてはそれほど速いわけではありません。それは第8番においても同様で、この二つは作品番号順としては並んでいることもあるのか、ラトルは一つとして考えているような気がします。

その点では、第8番の演奏を府中市立図書館で借りてきたときに感じた、いいテンポ感、そしてそれは第7番でも同じだから音飛びということ(つまりそれだけ聴かれている)ということになったのだろうなあという私の直感は正しかった、ということになります。なるほどなあ、と思いますが、ならなおさら、府中、あるいはその周辺3市の市民の方には、資料の取り扱いに注意をしてほしいところだなあと思います。

確かに資料は府中市のものですが、三鷹西東京、そして小金井の3市の市民も借りられる、都下4市の共有財産だともいえます。であれば、その4市の市民は大切に扱う必要がこれからも必要であろうと思います。本来なら借りるだけでこの2曲に対するラトルの解釈が聴けば自然と浮かび上がるわけです。それを第7番だけ購入せねばならず、結局は全部購入となるのなら資料としてそこにある意味すら低下します。図書館の役割りを考えたとき、その枠割を果たすためには単に図書館職員だけではなく、やはり使う側の注意というものも必要であろうと思います。

そうでなければ、おそらくこれからは、音楽資料に関してはすべてナクソスのサービスへと移り、図書館内でなければ聴くことは不可能となり、基本貸出不可となるでしょう。この素晴らしい演奏が貸出不可になることが、どれだけの文化への損失になるのか、利用者側も考える必要があると思います。

確かに聴くことはできるでしょう。しかし、その範囲が狭められることが、どれだけの損失になるのか・・・・・今、私たちはコロナ禍で嫌というほど味わっているのではないでしょうか。なら、資料を大切に扱うことも、非常に大切な文化への貢献だと思います。とても簡単です。借りてきたときにCDを慎重に扱えばいいだけです。そしてなるべくリッピングで済ませる。そうすればCDに傷はつきにくいですし、できないならなるべくいいデッキで聴くようにしたり、そこまでいいデッキがなくて仮に傷がついた場合は図書館へ返却するときに申し出たり、あるいは自分で補修したり(浅い傷ならそれで十分聴くことができます)すればいいのです。

またそれは、図書館職員の方にも注意してほしいなあと思います。特に府中の場合、コアポストは府中市の職員ですが受付などは民間へ委託しています。その民間の社員の方もCDを管理するときに慎重に扱ってほしいのです。これが小金井と府中、そしてもっと言えば神奈川県立図書館との差で、小金井は事実上小金井市から委託を受けた民間団体が行っており、資料の扱いも丁重ですし、神奈川県立図書館は神奈川県の職員です。ですが府中は民間会社が運営をしているんですね。それはそれで安く済むという意味ではいいのですが、見ているとちょっとこれ大丈夫?という扱いをCDに関してはしている場面を見たこともあります。そんな場面があった場合。府中市民はもっと声を上げていいと思います。図書館職員の「使命」として、まずは資料を丁重に扱うことは仕事のイロハのイ、です。声を上げて当然なのです。だって、府中市民の皆さんの税金で買った「宝」なんですよ?それを雑に扱われて、いい気がしますか?

ラトルがこの2曲に込めた「魂」というものが、なるべく長く都下4市市民に伝わっていくように、協同で守っていく必要があると思います。たまたま私は今回ディスクユニオンで買えましたし、どうやらe-onkyoハイレゾの取り扱いも始まったようです。いいタイミングですが、図書館で借りられる、というメリットがなんであるのかを、今一度考えていただけると幸いです。

 


聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第7番イ長調作品92
サー・サイモン・ラトル指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(EMI Classics)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。