かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ビエロフラーヴェクとチェコ・フィルによるドヴォルザーク交響曲と協奏曲全集11

今月のお買いもの、12回シリーズで取り上げております、e-onkyoネットストアにて購入しましたハイレゾ、イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるドヴォルザーク交響曲と協奏曲の全集、第11回の今回は交響曲第8番を取り上げます。

第8番だと、私としては断トツでヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が一番なのですが、このビエロフラーヴェク指揮のものもその次くらいに来る素晴らしい演奏だと言えます。

その理由は、ノイマンよりは多少どっしりとしたテンポを取りつつも、そこかしこに蒸気機関車の息吹を感じる点です。やはり、ビエロフラーヴェクは「鉄ヲタ」なのではないかと想像しますw

ノイマンの指揮は、もっと音を立てさせるのですが、ビエロフラーヴェクはむしろ弦を寝かせてカンタービレさせています。その違いが全く気にならないんです。それでも十分、ボヘミアを疾走する機関車牽引の列車が、草原を走り抜けていくかのような風景が自然と浮かび上がってくるのです。

特に第6番以降、ドヴォルザークは列車というよりは、その牽引する機関車にフォーカスして交響曲の中に音として落としこんでいるように見えます。ビエロフラーヴェクのはどっしりとした印象がありつつもテンポやリズムもしっかり感じ取ることができ、まるで自分が風景の一部にいて、機関車が来て去って行くのを見ている錯覚に陥ります。

特にこの第8番の演奏では聴き手である私がまるでボヘミアの風景の中にいるかのような錯覚に陥る傾向が強く、「乗り鉄」「撮り鉄」でもある私としては、非常に楽しめて、魂に喜びを感じる演奏です。

これぞメロディーメーカー・ドヴォルザークの面目躍如と言ったところでしょうか。第5番以降の作品は、鉄道に乗っていて特に似合う作品がずらりとそろっており、特にこの第8番はどの鉄道路線に乗っても似合う不思議な作品なのです。ビエロフラーヴェクのこの演奏も、特に各駅停車では似合うのではないかと思います。

今年、東武鉄道に新しくC12が投入されますが、まさにSL大樹には似合う曲ですし、またビエロフラーヴェクのタクトはSL大樹が走る鬼怒川線にこそ似合うように思われます。それはボヘミアの風景に、鬼怒川線の沿線が似ているということもあります。

東武鬼怒川線は、終点で野岩鉄道と接続している路線で、かなりの勾配を昇っていく路線です。それゆえに、列車はゆっくり走ります。ディーゼル機関車を使ったプッシュプルを行っているくらいの路線ですので、ノイマンのまるで大井川鉄道の急行かわねじ号という感じよりは、むしろ東武鬼怒川線を走るSL大樹号の方にこそ似合う演奏だと思います。

残念乍ら、ビエロフラーヴェクは故人となっていますが、もし生きていたら、SL大樹に乗った印象を、チェコ・フィルでどのように表現するのかが聴きたかったですね。ウィキには記述がないんですが、弟子の方とかにインタビューする機会があれば、「ビエロフラーヴェク氏は鉄道ファンだったのではないですか」という質問を投げかけてみたいです。特にこの第8番の演奏では、「鉄分」がたくさん見受けられますので・・・・・

ja.wikipedia.org

 


聴いているハイレゾ
アントニン・ドヴォルザーク作曲
交響曲第8番ト長調作品88
イルジー・ビエロフラーヴェク指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(Decca flac96kHz/24bit)

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