かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ビエロフラーヴェクとチェコ・フィルによるドヴォルザーク交響曲と協奏曲全集10

今月のお買いもの、令和4(2022)年5月に購入したものをご紹介しています。12回シリーズで取り上げております、e-onkyoネットストアにて購入しました、イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるドヴォルザーク交響曲と協奏曲全集、今回の第10回は交響曲第7番を取り上げます。

この第7番は、冒頭にいきなり「鉄分(鉄道ファンで言う「鉄道を愛する気持ち」)が出てきます。序奏で駅にSLの列車が着く様子が描かれています。その部分は壮麗な演奏。

しかしそれ以降、熱をおびたかのような、筋肉質な演奏で、生命力あふれる演奏へと転換します。この切り替え、非常にすばらしく、感動すらしてしまいます。

この第7番から第9番「新世界より」まで、ドヴォルザークの「鉄ヲタ」ぶりが作品に色濃く反映されている作品が続くわけなのですが、この演奏では、第7番を単にSLが疾走していくというだけではなく、その疾走による物語が語られているような演奏になっているのも好印象です。

こういう演奏を聴いてしまうと、私は昔好きでよく読んでいたマンガ、「銀河鉄道999」を思い出します。漆黒の宇宙空間を疾走していく、C62 48号機により牽引されている、地球からアンドロメダまでを結ぶ銀河超特急、999(スリーナイン)号。そんな様子がどうしても思い出されるのです。

同じようにボヘミアを疾走するSLが、この演奏からは想起されますが、それだけではなく、そのSLが乗せている「物語」がそこにあるように思えるのです。少なくともビエロフラーヴェクは単にSLが疾走する様子を表現していると解釈するのではなく、そこに物語があるんだという解釈であると想像します。ですから、今まで聴いた第7番の演奏の中でも特にドラマティックです。そのうえで、「鉄分」もたっぷり。

こういういい意味での裏切られ方は爽快ですし、むしろこの演奏は第7番のなかで最も好きな演奏の一つにならんとしています。今、私は世紀の出会いに遭遇しているようにさえ思います。

 


聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
交響曲第7番ニ短調作品70
イルジー・ビエロフラーヴェク指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(Decca flac96kHz/24bit)

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