かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:アリアーガ 弦楽四重奏曲集

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はアリアーガの弦楽四重奏曲集をご紹介します。いや、全集というほうが正しいでしょう。

何故なら、アリアーガは生涯において3曲しか弦楽四重奏曲を作曲しなかったから、です。

ホアン・クリソストモ・アリアーガ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A2%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AC

わずか20歳に後1か月というところで夭折してしまったスペインの天才です。少なくとも3曲とも魅力ある作品で、陰影に優れており、特にテンポアップなどがないのに聴く者を惹きつけてやみません。

時代的にはロマン派ですけれども、スペインということで多分に古典派している作曲家ではあるんですが、これがもっと長く生きていれば本当に楽しみだったよなあという音楽が、3曲すべてに共通します。モーツァルト的な部分にベートーヴェンテイストがうまく乗っていると言いましょうか。作品の和声は私たちを全く飽きさせません。

なんで神様は、こういった魅力的な人から生命を早く奪ってしまうんでしょうか。もっと長く生きていれば、脂が乗った時期にはもっと素晴らしい作品が生まれたはずなのに、と。メンデルスゾーンと比肩するくらいの大作曲家になっていたでしょう。流れる音楽にリズムのいい低音部。その上で魂が込められた陰影ある旋律。気品も備わります。完全にヘビロテです。

演奏するグァリネリ四重奏団も共感に満ちた演奏をしてくれています。そもそもは音楽大学の先生たちが結成したクァルテットですが、若き豊かな才能を魅力的に聴かせてくれます。もっと言えば、先生たちだからこそ、その若き才能に共感しているとも言えるかと思います。体がどうしても動いてノッてしまう生命力あるリズム。表現豊かな陰影部分。アインザッツを巧みに使った力強さ。もういい感じで酔ってしまいます〜私、お酒飲めないんで。ちょうどいいです。

洒脱と自在と、共感と喜びと。そのすべてが演奏に込められています。作曲家のネームバリューではなく、音楽が素晴らしいのかどうか。そこにフォーカスしているこの演奏は常に私たちを楽しませるものだと思います。音楽を楽しむ、そしてその喜びをはこういうものだって思います。




聴いている音源
ジョアン・クリソストモ・デ・アリアーガ作曲

弦楽四重奏曲第1番ニ短調
弦楽四重奏曲第2番イ長調
弦楽四重奏曲第3番変ホ長調
グァルネリ弦楽四重奏団
 ジョン・ダリー(ヴァイオリン)
 アーノルド・スタイン・ハート(ヴァイオリン)
 マイケル・トゥリー(ヴィオラ
 デイヴィッド・ソイヤー(チェロ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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