かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:トゥリーナ セビリャ交響曲他

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はスペインの管弦楽作品を収録したアルバムをご紹介します。

収録されているのは、アリアーガ、アルフテル、トゥリーナの3人の、3曲です。この内、アリアーガはすでにこのブログでは既出の作曲家です。

神奈川県立図書館所蔵CD:アリアーガ 弦楽四重奏曲
https://yaplog.jp/yk6974/archive/1830

このときの弦楽四重奏曲も魅力的な作品でしたが、この管弦楽作品も素晴らしい!歌劇「しあわせな奴隷たち」序曲は、内容がわからないのでなぜ奴隷が幸福なのかまではわからないんですが、音楽の流れ的には、だれかが奴隷たちを救うってテクストっぽい感じはします。その生き生きとしたドラマが作品には通底しているように思います。

ホアン・クリソストモ・アリアーガ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A2%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AC

続くアルフテル。前衛音楽の影響を受けたわりには、旋律線がはっきりした作品を書いた人です。

ロドルフォ・アルフテル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%86%E3%83%AB

ここに収録されているヴァイオリン協奏曲もそんなアルフテルらしい作品です。どこが前衛なの?というくらい旋律線ははっきりしていますが、調性は指定されていません。そんなところが時代を感じるところです。

最後のトゥリーナ。時代的にはアルフテルよりは前の作曲家で、ちょうどここに収録されている作曲家で言えば、アリアーガとアルフテルをつなぐ役割を果たした作曲家だと言えます。

ホアキン・トゥリーナ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A

収録され、アルバムのタイトルにもなっているセビリャ交響曲1920年に作曲され、交響曲と言うよりは連作交響詩という内容を持つ作品です。ただ、3楽章ということは、非政治的なスタンスを貫いたとはいえ、「自由」というキーワードが隠されていると私はかんがえています。

その意味では、スメタナの「わが祖国」も同様にテーマは「自由」だと私は考えます。3の倍数、ですから。ヨーロッパ音楽に精通した当時のクラシック・ファンたちであれば、このトゥリーナやスメタナのメッセージを、明確に受け取っているはずなのです。自由や独立・・・・・

スペインと言えば、20世紀には内戦を経験した、先進国では数少ない国家です。しかも、共和制を目指したものの挫折し、王制による民主化という「上からの民主化」を経験した数少ない欧州国家です。1920年台のスペインという国の内情がちょっとだけ垣間見えるような気がします。第2楽章では蒸気機関車の汽笛すら聴こえますし・・・・・

演奏はアリアーガとアルフテルはフリューベック・デ・ブルゴスが、トゥリーナはアルヘンタが指揮し、オケもアリアーガとアルフテルがスペイン・フィル、トゥリーナがスペイン国立管と、まるでスペインの宣伝であるかのよう。まあ、クラシック音楽は宣伝に使われやすい音楽ではありますがー右でも左でも。それを横において聴いてみますと、なんと芳醇なサウンド

特に、フリューベック・デ・ブルゴスは生命力ある指揮が定評なのですが、この2つの作品でもそれは健在!スタンス的には相対する二人を、人間が残した作品として生き生きと振っているのがいいですね〜。フリューベック・デ・ブルゴスは第九を振らせても本当に生命力あふれる指揮をしますが、特に祖国スペインの作曲家たちだと肩の力が抜けているように思います。




聴いている音源
ホアン・クリソストモ・アリアーガ作曲
歌劇「しあわせな奴隷たち」序曲
ロドルフォ・アルフテル作曲
ヴァイオリン協奏曲作品11
ホアキン・トゥリーナ作曲
セビーリャ交響曲
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮
スペイン・フィルハーモニー管弦楽団
アタウルフォ・アルヘンタ指揮
スペイン国立管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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