かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヴィラ=ロボス 弦楽四重奏曲全集1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から何回か、ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲を採り上げたいと思います。

ヴィラ=ロボスはこのブログでも何度か出て来ている作曲家ですし、エントリも一番有名な「ブラジル風バッハ」を取り上げてもいます。

今月のお買いもの:ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ全曲1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/998

今月のお買いもの:ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ2
http://yaplog.jp/yk6974/archive/999

今月のお買いもの:ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ3
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1005

そんななかで、今度取り上げるのは弦楽四重奏曲なのです。ヴィラ=ロボス自身は多作家ですが、作曲家としてのキャリアからすれば、交響曲などよりはもっと自由な様式の作品を得意としており、それが「ブラジル風バッハ」でした。それはヴィラ=ロボスのスタンスを明確にしているという点でも適切だと思いますが、常々私は初めて聴く作曲家は室内楽から入ったほうがいいという信念に基づいて、弦楽四重奏曲にも興味を持っていたのでした。

そこで、借りてきたましたのが今回の音源というわけです。

エイトル・ヴィラ=ロボス
弦楽四重奏曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%A9%EF%BC%9D%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%82%B9#.E5.BC.A6.E6.A5.BD.E5.9B.9B.E9.87.8D.E5.A5.8F.E6.9B.B2

ウィキではネガティヴなコメントが付いていますが、信用してはいけません。作品は実際に聴いてみなければ分からないものです。「亀さん、乗ってみよう!(by 十津川警部)」です。

この第1集には、ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲を俯瞰する役割が与えられています。第1曲目の第6番はヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲中最も有名な作品ですし、第1番は彼の弦四中記念すべき第1作です。また第17番は一番最後の弦楽四重奏曲。それそれ、特徴ある作品です。

ブラジルらしさと古典的様式が混然一体となり、それまでの減額四重奏曲とはまた一味違ったものになっています。第1番は6楽章あって、ヴィラ=ロボスの意欲作だと言っていいでしょう。第6曲は古典様式とブラジルらしさのバランスが取れている名曲。そして第17番は時代を背景にしたせいか、かなり不協和音を多用しており、そこにブラジルらしさを入れて行こうとするこれも意欲作だと言っていいでしょう。

ですから、ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲は実に面白いのです。ネガティヴなコメントを信用して聴かないなんてもったいない!BGMとしても上質でありながらも、様式と和声の融合を目指した意欲作を、聴かないのは本当にもったいないです。

演奏はラテンアメリカ四重奏団。ヒナステラの弦楽四重曲も全集を収録している、南米作曲家作品演奏のオーソリティです。

http://dansaq2010.marifujibayashi.com/profiles/cla

肩の力は一切ぬけており、洒脱でかつ生命力のある演奏を聴かせてくれます。時としてタンゴ等も引用する作曲家を弾くだけあって、音は豊潤で甘く、それでいて近代的なスマートさも備わっているのが本当に素晴らしい!特に第1番ではクラシック作品ではないような瞬間がある作品を見事にクラシック音楽ととらえつつも、その「クラシック的ではない要素」もしっかりと「歌い上げている」のにはもう酔うしかありません。

この演奏がまだまだ続くのですから、本当に幸せな瞬間です。




聴いている音源
エイトル・ヴィラ=ロボス作曲

弦楽四重奏曲第6番
弦楽四重奏曲第1番
弦楽四重奏曲第17番
ラテンアメリカ四重奏団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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