かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:カバレフスキー チェロ協奏曲他

今月のお買いもの、平成28年9月に購入した分をご紹介します。今回は銀座山野楽器本店にて購入しました、カバレフスキーのチェロ協奏曲他をご紹介します。レーベルはイギリスのalto。

つまり、輸入盤です。バジェットプライスの1000円。ちなみに、ワゴンではありません、棚です・・・・・安い。

その安さは、カバレフスキーだからなのか、それとも・・・・・

カバレフスキーは、ショスタコーヴィチとほぼ同年代の作曲家で、旧ソ連にて活躍した作曲家です。裕福な家庭に生まれましたが、反骨精神で芸術の道へと進みます。そのせいなのか、ソ連となったあとは体制に順応するのが速かったようです。

ドミトリー・カバレフスキー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC

ピアニストだったこともあり、ピアノ作品も残しており、ピティナにもページがあります。

カバレフスキー Kabalevsky, Dimitri [ ロシア ] 1904 - 1987
http://www.piano.or.jp/enc/composers/184/

実際、このCDはそのカバレフスキーの作曲家としての特徴が反映されている編集となっており、それ故、チェロ協奏曲の第1番と第2番、ヴァイオリンとピアノのための作品が二つと、合計4曲が収録されています。

チェロ協奏曲は社会主義リアリズムが背景とされていますが、確かに第1番はその色が濃いでしょう。第2番になりますと、時代の流れか、不協和音が鳴り響くものとなっており、単純に社会主義リアリズムと言えるような作品ではありません。むしろ、体制の顔色をよく見ながら作曲をした人という印象が、この二つの作品からは強く私には印象づけられています。

さらに、ヴァイオリンとピアノのための作品も、1934年作曲の「インプロヴィサト」と、1961年作曲のロンドとでは、曲の印象がまるで違います。体制に順応しているがやはり、自分で作りたいものは持っており、それを順応するために隠していると言った感じが強いです。

ですから、面白いのはチェロ協奏曲では第1番よりは第2番、「インプロヴィサト」よりはロンド、です。勿論、チェロ協奏曲第1番などが面白くないのではないんですが、チェロ協奏曲でいえば、古典的な3楽章形式が、第2番になりますと全楽章がつながっているという、20世紀前半の音楽潮流をしっかりと反映させている点は、時代において変る体制や社会の要求に基いているなと感じますし、また、それゆえに、雪解けあたりの作品は転調など、本当に楽しめる作品です。

三人のソリスト、チェロのタラソワ、ヴァイオリンのリクホーポイ、ピアノのクリツカヤはそろって活きがよく、特に雪解け時期の作品であるチェロ協奏曲第2番とロンドは生命力溢れる演奏です。作品にしっかりとリスペクトしており、ウィキのような単純なレッテル張りをせず、のびやかかつしなやかな演奏は、しっかりとした自己主張となっています。カバレフスキーはそんなに悪者じゃないよ、と。

どうしても我が国では、ショスタコーヴィチが注目されがちなんですが、本当にあの時代の抑圧ぶりを問題にするのなら、カバレフスキーのような作曲家を採り上げる必要があると思います。その中でショスタコを見ていくと、さらなる発見や、共感が得らえるように思います。




聴いているCD
ドミトリー・カバレフスキー作曲
チェロ協奏曲第1番ト短調作品49
チェロ協奏曲第2番ハ短調作品77
インプロヴィサト作品21
ロンド作品69
マリア・タラソワ(チェロ)
ナタリア・リクホーポイ(ヴァイオリン)
ルドミラ・クリツカヤ(ピアノ)
ヴェロニカ・ドゥデロヴァ指揮
ロシア交響楽団
(alto ALC1116)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。



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