かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ドヴォルザーク 交響曲・協奏曲集10

神奈川県立図書館所蔵CD、ドヴォルザーク全集から交響曲と協奏曲をご紹介していますが、今回はその第10回目です。ヴァイオリン協奏曲を取り上げます。

ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は、チェロ協奏曲に次いで演奏機会の多い曲ですが、いかんせん、チェロ協奏曲と比べればかなり減るといわざるを得ないのが現状です。

ヴァイオリン協奏曲 (ドヴォルザーク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AF)

クラシックファンの中でも、評価を二分するこの作品は、実に叙情的です。言い方を変えれば、とてもメロディアスです。交響曲のような「鉄分」はほとんど聞き取ることは出来ず、ただただ美しく甘い旋律が、透明な音色となって私たちに語りかけます。

特に第3楽章の躍動しつつも、繊細さを持つ音楽は、平明さと同時に気高さを併せ持つという、名作が持つ深さを私たちに十分訴えかけてきます。途中、民族的とも取れる、ティンパニがppで連打されつつヴァイオリンが奏される部分は独創的で、なかなか他に例をみません。

ピアノは苦労した跡が見えるものの、このヴァイオリンについてはまるでそんな跡が見られず、各楽器が生き生きとした音楽を奏で、全体を彩って行きます。

演奏のせいもあるのかもしれません。指揮とオケはふたたびノイマン/チェコ・フィルのコンビ。ヴァイオリンはヨゼフ・スークと、ビッグ・ネームが並んでいるこの演奏は、特にスークの軽い演奏が躍動感と生命力を生み出しています。だからと言って力強さがないのかと言えばそんなことはなく、アインザッツの適度な強さがきちんとアクセントとして働いていまして、聴く者を捉えて離しません。

実はこの演奏、後に私にいろんな作品に眼を開かせてくれたもので、例えば、スークは作曲もしていますが、その作品に対してだったり、他の作曲家のマイナーな作品をどんどん借りるなど、今までとはまた少し違った方向へと私を導いてくれた演奏です。ドヴォルザークの協奏曲と言えばチェロ協奏曲だった私が、この後そうではなくなっていく一つのきっかけとなっています。

こういった演奏に出会えるのは本当に幸せですし、それがまたヴァイオリン協奏曲であったというのもまた天啓であるような気がしています。その後、ヴァイオリンに対しても様々な作曲家へ興味を持っていくのですから。

そもそも振り返ってみれば、そのきっかけはヴィエニャフスキだったようにも思います。さらにこのドヴォルザークで、それは決定的になったとも言えるかと思います。それはその後、私の新古典主義音楽への傾倒へと繋がっていきます。

「今月のお買いもの」と「神奈川県立図書館所蔵CD」のコーナーとではタイムラグがありますが、3年程前の「今月のお買いもの」では私は新古典主義音楽をかなり取り上げ始めています。そのひとつのきっかけになっているのは、このドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲でもあるのです。

カップリングの二つの小品も、ドヴォルザークのヴァイオリン作品の美しさをよく伝えているように思います。特に最後のノットゥルノは、ピアノとのゆったりとしたアンサンブルがとても美しく、天上の世界へと連れて行ってくれるかのようです。それはいずれ、私をプーランクソナタへと誘うのです。

さて、今回でドヴォルザーク交響曲と協奏曲は終りとなります。次回からは、再びモーツァルトの登場です。その理由は実は、このドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲のオケの演奏が、極めて古典派的であったことにあります。リフレインを弱く演奏するなど、この作品の古典的な様式を浮きだたせる結果となっていたからです。その上で、ノットゥルノの美しさ・・・・・

それが私をして、モーツァルトのピアノ・ソナタへと興味を向かせることになったのです。そしてそれがいずれ、新古典主義音楽への興味へつながっていくのです。



聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
ヴァイオリン協奏曲イ短調作品53 B108
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス ヘ短調作品11 B39
ヴァイオリンとピアノのためのノットゥルノ ロ長調作品40 B48
ヨゼフ・スーク(ヴァイオリン)
ルフレット・ホレチェク(ピアノ)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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