かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ドヴォルザーク 交響曲・協奏曲集9

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ドヴォルザーク全集から交響曲と協奏曲を取り上げていますが、今回はその第9回目として、ピアノ協奏曲を取り上げます。クヴァビルのピアノ、フランチシェク・イーレク指揮ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

ドヴォルザークで協奏曲と言えば、「ドヴォコン」とも言われるチェロ協奏曲が圧倒的に有名なのですが、みなさん、不思議に思ったことはないですか?ウィキの以下の文章を読むと、ドヴォルザークが作曲した協奏曲は決してチェロ協奏曲だけではないのに、なぜかチェロ協奏曲は「ドヴォコン」と言われてしまうことを。

アントニン・ドヴォルザーク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AF

実は、ドヴォルザークはチェロ協奏曲以外にも協奏曲を書いていまして、そのうちのひとつが、今回取り上げますピアノ協奏曲なのです。

むしろ、協奏曲と言えばピアノを想像する人のほうが多いように思われますが、お読みくださっているあなたは如何でしょう?でも、ドヴォルザークの協奏曲においては、ピアノ協奏曲は最も演奏機会に恵まれない作品となっています。

ピアノ協奏曲 (ドヴォルザーク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AF)

確かに、聴きますとどこかモーツァルトの時代を感じさせます。つまり、ヴィルトォーソしてオケと対等に張り合うのではなく、会話するといった様式です。完全にそうだとは言い切れませんが、その傾向にあると思います。

それでいて、音楽は何処から見ても後期ロマン派、国民楽派ドヴォルザークが目指した「管弦楽に重点の置かれた交響的な楽曲で、ピアノがオーケストラと張り合うことなしに主役を演ずることができる」ことが実現されています。

で、不思議なことなのですが、そういった特色を持つにもかかわらず、交響曲と比べますと「鉄分」がそれほど感じとれません。第1楽章の主題中間部ですこーしでしょうか・・・・・

作曲が1876年と比較的若い時代の作品なのですが、同時期の作品である交響曲第1番「ズロニツェの鐘」に比べますと、メロディアスな面が強調されているのが私の注目点です。明らかに交響曲と他のジャンルでは、描きたいものが異なるように私には思えます。

いきなり演奏面に入りますが、実はこの演奏、原典版です。このピアノ協奏曲はウィキにある通り、作曲者の死後ピアノパートに大改訂が施されますが、この演奏ではそれを廃し、なるべく作曲時のままとなっています。原典版をチョイスしたことで猶更、交響曲との差異が浮かび上がって来ていて、私にはとても興味深い演奏です。

解釈としては、あまり奇をてらっているようには思われません。端正で、しかし勢いは充分保ったまま、ドラマティックさも併せ持ち、どんなにこの曲がだめなの?と思わずにはいられないことでしょう。自然と曲の哀愁が浮かび上がり、思わず聞きほれてしまいます。

言わば、ドヴォルザークの地平に、私たちを誘うとでも言いましょうか・・・・・

実際、ドヴォルザークピアノ曲をそこそこの数作曲していますが、その内容はいったいどんなものなのかと、私たちに再検討を突きつけている演奏であるように思います。




聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
ピアノ協奏曲ト短調作品33 B63(原典版
ラドスラフ・クヴァビル(ピアノ)
フランチシェク・イーレク指揮
ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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