かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:リスト ピアノ作品全集13

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、元音源ナクソスのピアノ作品全集を取り上げていますが、今回はその第13集を取り上げます。第12集に引きつづき、ハンガリー狂詩曲の、後半になります。

第13集では第10曲から第19曲までが収めれています。有名な「ラコッツィ行進曲」は第15曲目で、たいていはこの第15曲までが演奏されるようですが、第16曲から第19曲も素晴らしい作品ばかりです。

多分、リストのきらびやかな作風に魅せられる人が多いからだと思いますが、「伝説」を聴いた後の私からすれば、もったいないなあと思います。

むしろ演奏時間の都合で第15曲までにあることが多いのでしょう。第12集と第13集を合わせて聴こうとすれば、2時間半はたっぷりかかりますから。ただ、是非ともメディアで聴く場合には、できるだけ全曲を聴いたほうがいいように思うのです。

第16曲以降は、まさしく伝説のように、質素ながらも様々なものが詰まっている作品となっています。だからこそ全部が聴きどころと言ってもいいのです。それを聴かないのはもったいない!

リストが人生をかけて作曲したハンガリー狂詩曲。それは図らずも、リストの作品の変遷を見る素晴らしい史料ですし、また音楽を楽しめる機会でもあります。是非とも全曲を聴いてほしいと思います。

その意味で、私はやはり解説としてはこのピティナを推します。

リスト : ハンガリー狂詩曲
Liszt, Franz : Ungarische Rhapsodie S.244
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/2208/

この解説は、ハンガリ―狂詩曲が決してロマだけはなく、第15曲のようにそもそもハンガリーに伝わっていた旋律を用いていることが明瞭なのです。比率としてロマの旋律が多いだけ、なのです。ですから大まかに言えばハンガリー狂詩曲はロマの旋律を使っているというのはあっているのですが、正確ではないわけです。単なる最大公約数でしかありません。

ナクソスハンガリー狂詩曲を全曲取り上げたのは、これが全集だからでしょうが、だからこそハンガリー狂詩曲の特徴が明確になったとも言えますので、それを狙ったのだろうと思います。そして二つに番号順で分けたのも、です。第13集を聴けば、ハンガリー狂詩曲がロマの旋律だけを使っているわけではないことが明瞭ですし、その上でリストが単に強烈に音が動き回る作品の作曲家というのではないことも明瞭です。「伝説」のような作品もあるという事が明瞭なのです。

リストがこの曲集を編んだのは、これらの理由なのではないかと私は推測します。二つの作風が同時に存在する・・・・・ピアノ協奏曲で叩かれたリストが、悩みながらもたどり着いた境地だっただと思います。自信を持って自分の作品を違憲として表明する。それがこのハンガリー狂詩曲だったのだと思います。

ヤンドーのピアノは、ここにきて多少音のつながりに苦しい部分が出てきます。それはやっつけというよりはむしろ、リストの想いに共鳴した所以ではないかという気がします。リストをリスペクトすればするほど、想いが募って気持ちが前のめりになってしまう・・・・・プロとしてはあまりいい姿勢とは言えませんが、それでもプロとして一定の所には落としていて、聴く者には安心感を与えます。

この演奏が、リストの一つの面を理解するために、皆様に有益でありますよう、お勧めします。




聴いている音源
フランツ・リスト作曲
ハンガリー狂詩曲Vol.2
�@第10番ホ長調
�A第11番イ短調
�B第12番嬰ハ短調
�C第13番イ短調
�D第14番ヘ長調
�E第15番イ短調「ラコッツィ行進曲」
�F第16番イ短調
�G第17番ニ短調
�H第18番嬰ヘ短調
�I第19番ニ短調
イェネ・ヤンドー(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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