かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜フォーレ ピアノ作品全集2

東京の図書館から、小金井市立図書館所蔵のCDを御紹介していますが、今回はフォーレのピアノ作品全集の第2集を取り上げます。

この第2集では、全13曲あるノクターンの続きと、即興曲と無言歌が取り上げられています。で、ノクターンが終わると、音楽ががらりと変るのが、この第2集では特徴的だと言えます。

勿論、それはそれぞれのジャンルの特徴を考えれば当然なのですが、フォーレという作曲家の、他の作品から想像してしまう人にとっては、大きな驚きではないでしょうか。ノクターンだと、少し暗めですが、それ以外は何とも明るく、爽快なものですこと!

この第2集を聴きますと、なるほど、なぜ第1集がノクターンだったかがよく分かります。少し暗めのノクターンでつかんでおき、第2集でフォーレの音楽がじつは多彩であることを証明する。うまい編集だなあって思います。

勿論、これは弾いているユボーがそのようにしてほしいと言うことで実現したとは言い難いのですが、ユボーのしなやかで美しい演奏も相まって、フォーレの作品の魅力がギュッと詰まっていると言えるでしょう。

アコーギクもとてもいい感じで、聴いていて本当に心地よいです。この「心地よさ」がユボーの演奏の特色だと私は思っていますが、特にフォーレだと合いますね〜。特に即興曲が素晴らしい!印象派の作品としては旋律線がはっきりしているジャンルなのですが、それを魅力的に弾くのはいいですね〜。

というのも、即興曲は、作曲時期においてその内容が異なっているという指摘があるから、なんですが・・・・

即興曲 (フォーレ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%B3%E8%88%88%E6%9B%B2_(%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AC)

とは言え、ノクターンのように暗いと言うわけではないんです。例えば、構造が複雑化したりとか、飛びぬけて何か違いがあると言う訳じゃないんです。ですからユボーはとても自然に、肩の力を抜いて、作品が持つ外面的・内面的両面での美しさを、自在に表現しています。

故に、この第2集に収録されている作品は全て、体を乗り出して聴くような感じてはなく、リラックスして、まるでBGMのようにして聴いていても、すっと心に入ってきます。それがフォーレを「サロン音楽」として矮小化してしまう原因なのでしょうが、ではベートーヴェンのそうだったのかと言えば、そうではないですよね?

フォーレは新しい音楽を目指した人です。ベートーヴェンのような素晴らしい芸術を、もっと肩が凝らないような表現で現出させたい・・・・・そのフォーレの想いが、ピアニスト・ユボーをして、明確にされている、そんな気がします。

それだけ、ユボーの演奏は、とても上品なんですね。でも、力強さも、それ故生命力もある。ピアノ作品と言うのは、このような出会いもある訳なので、元合唱屋の私も、たまらなく魅力を感じるのです。それを表現するユボーは、私の好きなピアニストの一人になっています。




聴いている音源
ガブリエル・フォーレ作曲
夜想曲ノクターン、続き)
�@第10番ホ短調作品99
�A第11番嬰ヘ短調作品104-1
�B第12番ホ短調作品107
�C第13番ロ短調作品119
�D主題と変奏 嬰ハ短調作品73
即興曲
�E第1番変ホ長調作品25
�F第2番ヘ短調作品31
�G第3番変イ長調作品34
�H第4番変ニ長調作品91
�I第5番嬰ヘ短調作品102
3つの無言歌 作品17
�J第1番変イ長調
�K第2番イ短調
�L第3番変イ長調
ジャン・ユボー(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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