かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:クープラン クラヴサン曲全集1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から10回に渡りまして、クープランクラヴサン曲全集を取り上げます。

以前も、コンセールを取り上げているかと思いますが、遂に、クラヴサン曲全集まで、行ってしまいました・・・・・

フランス・バロックは奥深いです。バッハのような精神世界は味わえませんが、和声の楽しみを、存分に味わうことができます。

で、クープランと言えば、実はクラヴサンなんです。だからこそ、思い切って全集を借りてみた、と言うわけです。それにしても、クープランクラヴサン全集があるのはすごいです。さすがの府中市立図書館には、全集までは無いですからね〜。

特に、10回ってことは、当然ですがCD10枚ってことを意味します。それだけを棚に置いておくのは、正直言えばかなり大変です。よほどの好きモノじゃなければ、置きません、ふつう。でも、HDD外付けストレージなら、データ容量いっぱいまでなら、置いた場所だけで済みます。たとえCD10枚であったとしても。

ですので、こういった全集を図書館で置いて下さることは、本当にありがたいことなんです。神奈川県民は、是非とも県立図書館へGO!都民は羨ましがっていますよ。

さて、まず第1集は主にクラヴサン曲集第1巻第1組曲が主に収録されていて、その序奏と言うような感じで、クラヴサン奏法より前奏曲第3番が置かれ、王宮のコンセール第2番と、クラヴサン曲集第1巻第2組曲が途中までとなっています。

すべてクラヴサンづくしのこのアルバムですが、必ずしも番号順とはなっていないのが特徴です。しかし一応、この第1集では、番号順に並んでおり、その合間に他の作品を間奏曲のように挿むという形を取っています。バロックの時代ではこのような演奏は特段珍しくなかったので、現代とバロックが融合した編集と言えるでしょう。

クラヴサン曲集は、標題が付いている曲が多いのも特徴です。一応これ組曲なので、勿論バッハのように並んでいるのですが、その1曲ずつに標題が付いていることが多いのです。こういった点に、フランスバロックの先進性が見て取れます。

とは言え、フランス・バロックもイタリア・バロックを先人としており、その影響を受けています。ですから、あくまでもドイツ・バロックに比べて先進的と言えるのですが、イタリアから直で影響を受けていること、そしてその影響が始まった時期がドイツよりも早かったことから、このような標題音楽としての組曲が生まれたと言えるでしょう。そしてそれは、後世、管弦楽作品での組曲に、多大な影響を与えていくことになります。

クープランはそれだけ、音楽史の上で大きな影響を持つ作曲家ですが、その音楽自体はとても親しみやすく、かつ気品を持っており、BGMとしてその時代使われただけではなく、王族や貴族が気軽に耳を傾けるといった機会の音楽として、まさにぴったりな内容を持っています。演奏会で使ってもよし、サロンなどでBGMとして使ってもよし、どんな場面であっても、気品だけは失わない作品となっています。

演奏するほうも、それだけ自然体が求められますが、独奏するブーレイ、そして王宮のコンセールで共演しているランジュレともに、奇をてらわず、しかし伸びやかに弾いています。その奏法が、作品がもつ気品を際だたせ、楽しさを引き出しています。

こういう演奏はいいですね〜。まあ、バロックに奇をてらうような要素はあまりないんですが、人によってはバッハの呪縛に囚われますから。バッハと違い、精神世界を描いているのではないんですから、泰然自若とかまえればいい訳なんですが、みごとにこの演奏は実現できています。バッハでも精神世界を描いている作品ばかりではないわけなので、当然なのですが、でもどこかで構えるんですよね〜。

でも、そんな必要は、クープランを演奏するにおいて必要ないわけです。ブーレイとランジュレの2人はその点をしっかり押さえていて、聴けば聴く程、楽しいんです。それは当たり前のことなのですが、さすがプロであるのです。バッハの囚われをいかに手放すか・・・・・フランス・バロックの演奏には、フランス・バロックが舞曲の要素が強い作品が多いだけに、求められる技量だと言えるでしょう。




聴いている音源
フランシス・クープラン・ル・グランド作曲
前奏曲第3番〜「クラヴサン奏法」より
クラヴサン曲集第1巻第1組曲
王宮のコンセール第2番二長調〜2台のクラヴサンのための
前奏曲第2番
クラヴサン曲集第1巻第2組曲
ローランス・ブーレイ(クラヴサン
フランソワーズ・ランジュレクラヴサン、王宮のコンセール)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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