かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:中央大学音楽研究会混声合唱団 第54回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は平成29年12月10日に聴きに行きました、中央大学音楽研究会混声合唱団の第54回定期演奏会を取り上げます。

この合唱団、以前から取り上げていますが、前回は多摩センターのパルテノン多摩が会場でしたが、今回は以前第九を歌った、オリンパスホール八王子でした。

オリンパスホールは本当によく響くホールなんです。で、今回その2階席がいいなあと思って、わざと時間ギリで入ったら・・・・・

な、何と!2階席、3階席は本日使いませんとの張り紙が。えー、と言うことは、1階席だけ?座れんのか・・・・・

何とか、間で空いている席を見つけ、その左右の人に空いているのを確認して、座りました。何と、1階席の中間より前。プロの演奏会であれば、場合によっては1万円くらいする席です。

え、そこまで行かないでしょ、八王子でしょって?まあ、演奏された曲であれば、それくらい行きますよ。なぜなら、今回の曲目は、ヘンデルメサイア」全曲。

以前、何度か先輩たちも歌っている作品です。以前はモーツァルトのK572(モーツァルトが編曲した版)の演奏では都心の文京シビックでも歌ったことがある作品ですが、今回は、大きなオリンパスホール八王子を選んだってことになります。

勿論、オリンパスホール八王子は、以前先輩たちがベートーヴェンの第九を歌ったホールであるわけですが、当時の経験者は、恐らく一人もいません。ですが、HPを見ていたら、私が行けなかった時に、ハイドン天地創造オリンパスホール八王子で歌っているんですね。

http://c-konsei.lolipop.jp/TheChuoUniversityChorus/concert/concert2/

ちょうど2年前。それで今、書いていて合点がいきました。今回、なぜ前回同様の素晴らしい演奏になったかが・・・・・経験がある訳なんですね、3年生と4年生は。

ハイドン天地創造も大規模な作品ですが、今回のメサイアも、大規模だったり、小規模だったりする作品です。ただ、今回もオケはアレクテ室内なので、編成としてはそれほど大きくはない訳なんです。ただ、天地創造の時もアレクテだったそうなので、恐らくもう息があっているんですね。

指揮者は、前回パルテノン多摩ロ短調ミサの時と同じ飯坂先生。この人の解釈って、変らないんだなって思いました。白石先生とは異なり、フレーズはバサッと切らず、しっかりと伸ばすというもの。

前回のロ短調ミサの模様のエントリを、URLだけ再掲しておきます。

コンサート雑感:中央大学音楽研究会混声合唱部 ロ短調ミサを聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1597

この時はOBやOGも入っていたのですが、今回は賛助は2名だけ。学生だけって言っていいと思います。ところがです、ロ短調の時よりも素晴らしい演奏が、聴こえてきたのです・・・・・

合唱団最初の合唱である「このようにして、主の栄光が現わされると」の何と力強いこと!しかも伸びやかで、特にソプラノが美しい!今回はアルトも素晴らしいですし、男声もおとなな感じで、もう感動です。

それでいて、伝統と言っていい、軽く力強い発声!それが完璧!何と素晴らしいのでしょう!

それが最大限発揮されたのが、何と言っても「ハレルヤ」でしょう。王の王と、段々音が上がって昇っていく、明らかに強調の部分なんですが、奇をてらうことなくそれが普通に歌うだけでしっかりと強調になっており、そこにイエスの存在がしっかりと感じられるのです。すごいですよ、これ・・・・・

二度飯坂先生の指揮で聴いた感想を言えば、恐らく飯坂先生の解釈は、オーソドックスなものなんですね(実際、幾つか私が持っているピノック指揮イングリッシュコンサートのものと同じでした)。それは学生にとっても、親しみやすい反面、多くの指揮者が取っている解釈なので、それを自分たちがしっかりやれるんだろうかって緊張もあるはずなんです。

でも、私は仕事で一つは援助職に就いています。その経験から言えば、合唱団はしっかりと役割を与えられたわけなんです。君たちに任せる、自信を持ってという解釈でもある訳なんです、飯坂先生の解釈は。特に飯坂先生の指揮のいいところは、曲の出だしのタクトがしっかり振り下ろされているって言う点です。え?そんな点がって言うかもしれません。でもこれ、合唱団が自信を持って歌うには非常に大事なことなんです。

私も援助の仕事で大切にしていることは、相手を信頼して任せてみるってことなんです。そうしないと、相手は恐れと不安で何もできなくなります。それを飯坂先生はタクトで表現しているわけなんです。どれだけ学生は安心するでしょう。先生は自分たちを信頼してくれているんだ、と。受け入れられている、と。勿論、普段のしっかりとした練習があってこそですが、その上で自信を持って歌った時のパフォーマンスは、普段以上のものが出るものなんです。

それが、今回のメサイアでは、美しく、軽くかつ力強い合唱となって、作品が生命力を持ち、私達に語りかけるということにつながっています。本当に学生合唱団だろうかって思うくらいです。往復で予習としてBCJの演奏を聴いていき、聴けなかった残りを電車の中で聴いても、帰ってこの原稿を書くために聴いているマリナー指揮聖マーティン・イン・ザ・フィールズ(いつか「東京の図書館から」で、府中市立図書館のを紹介するときに取り上げると思います)のも、今回の中大生の演奏が心に強く残っており、通り一遍の演奏にしか聴こえないんです。それだけ素晴らしい演奏だったと言うわけです。

特にそれが出たのが、最終楽章「ほふられた子羊こそは」で賢著でした。じつは最後、ソリストも一緒に歌っていたのですが、そのソリストの存在がかすむくらい、アンサンブルとして溶け合っているんです。それは中大生の実力がかなりないと難しいんです。跡からトラが入るって形なので、トラに引っ張られているわけではないからです。勿論、今回はソリストも本当に粒ぞろいで素晴らしく、相変わらず大森さんは力強く素晴らしい!大森氏を聴きに行けるだけでも幸せなのに、それ以外のソリストも本当に素晴らしい!しいて言えばテノールでしょうかね〜。でも、最初少し力が入っていた感じが、段々抜けてきたときの伸びやかな高音は感動しました。

どんどんうまくなっているなって思います。今回の学生たちは、本当に素晴らしいって思います。3、4年生は卒業してもできれば社会人として合唱をし続けてほしいなって思います。何なら、聴衆としてこのブログで書いて応援しますから、何なりとお申し付けくださいませ。日程さえ合えば、いや、場合によっては無理やり日程を開けてでも、行きますよ〜、応援しに。

1、2年生は、後2、3年は団員として歌っていくわけで、自分たちが精進するとともに、今後入ってくる新入生を「新しい仲間」として大切にしてください。素晴らしい仲間になれば、おのずといいアンサンブルが出来上がります。それは先日聴きに行った、大田区民第九合唱団が証明してくれています。

コンサート雑感:大田区民第九合唱団 第10回定期演奏会を聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1655

今回は、今までなら聴きに行けないはずの演奏会でした。でも、実は職場が私の状態を心配して、隔週で日曜日が開くことになりました。まあ、いつが空くのかはその月にならないと分からないんですが、日程が合う可能性が拡がったので、是非とも次回も聴きに行ければって思います。次回どれだけ感動できるのか、とても楽しみです。

ここで一つリクエストをするとすれば、今年フィルハーモニック・コーラスさんがやった、メンデルスゾーン交響曲第2番「讃歌」か、同じメンデルスゾーンで、やはり今年横浜シティ合唱団さんがやられた「エリア」に挑戦すると、また一つ階段を登れるのかなって思います。検討して頂けると、嬉しいです。




聴いてきたコンサート
中央大学音楽研究会混声合唱団 第54回定期演奏会
オルグ・フリードリヒ・ヘンデル作曲
オラトリオ「メサイア」全曲
石田亜希子(ソプラノ)
鈴木涼子(アルト)
大久保憲(テノール
大森いちえい(バス)
渡邊温子(オルガン)
飯坂純指揮
アレクテ室内管弦楽団
中央大学音楽研究会混声合唱

平成29年12月10日、東京八王子、オリンパスホール八王子

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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