かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:横浜アマデウス室内合奏団第17回教会コンサートを聴いて

コンサート雑感、今回は平成29年12月2日に聴きに行きました、横浜アマデウス室内合奏団の第17回教会コンサートの模様をご紹介します。

このコンサートに行くきっかけになったのは、先月聴きに行きました、横浜シティ合唱団さんの「エリア」です。プログラムに入っていたチラシをみて、教会でやるということに興味を引かれて、行きたくなりました。

なぜ教会でやるから行きたかったのかと言えば、そのメインがベートーヴェンの「運命」なのですが、殆どCDでは教会で録音されたものがないからです。それだけ、教会で演奏されることも、珍しいわけです。私が持っている中でも、以前マイ・コレでご紹介した、スウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンしかありません。このCDはちょっとぼんやりしている感かくもあったのですが・・・・・

それが、日本の教会で聴けるというわけですから、どんな感じになるんだろうか、シュターツカペレ・ベルリンを上回るような演奏になるんだろうかと、ワクワクもあったのです。

そしてそれは、見事に上回るんですが、ある意味・・・・・・

さて、横浜アマデウス室内合奏団の説明と参りましょう。2009年に読売日響の元奏者であった今井清治氏により呼びかけられ、設立された団体です。

http://yokohama-amadeus.wixsite.com/yaco

サイトを見てくだされば判ると思うんですが、私は合奏団という名称には疑問を持っています。なぜなら、それなら英訳はストリングスになるからです。しかし、この団体、管楽器もいるんです。なら室内オーケストラ、つまり室内管弦楽団という名称を使ってもいいと思います。多分、まずさきにある団体を気にしたのでしょう。じつは横浜室内管弦楽団という団体が存在するんですよね。

だからあえて、日本語では合奏団を使ったのだと思います。しかし実際には室内管弦楽団です。

創立からまだ9年しかたっていないということもあって、若い団体です。それは時間もさることながら、団員も若い人が多いんです。

しかもこのオケの珍しい点は、横浜なら、各区に小さいいいホールができつつある現状で、あえて教会をコンサートホールとして選んでいるという点です。そのフランチャイズは、日本基督教団清水ヶ丘教会礼拝堂。

http://www.shimizugaoka.com/

信者が教徒だからではないという説明が、オケのサイトにありますが、それでも他のホールではなく、教会の礼拝堂を使うってことは、それだけ自分たちが作りたい音、響きがそこにあるってことを意味すると思います。

今回のプログラムは、以下の通りです。

ハイドン交響曲第1番
モーツァルト交響曲第40番
ベートーヴェン交響曲第5番「運命」

コンサートの中で、今回は交響曲の歴史を体感する回ですとありましたが、それにしても大胆な曲をセレクトしたなあって思います。ベト5は、確かに古典派交響曲の頂点ですが、一方でベートーヴェンの個性もたくさん詰まっている、すでに片足の指先をロマン派に突っ込んでいる作品です。古典派そのものなら、ベートーヴェンならむしろ、第4番もしくは第3番「英雄」のほうが適切です。

とはいえ、運命って、誰でも知ってる作品でもありますから、人は呼べるのでしょうね。とはいえ、このコンサート、無料なんです。すごいですよ、どんなレヴェルであっても、無料と言うのはなかなかやりたがらないですから。

でも、無料のコンサートで、素晴らしい演奏も経験がありますから、期待は高まると言うものです。

まず、1曲目のハイドン。第1楽章は間に合わなかったんですが、第2楽章から聴いた範囲では、まあなんとアマチュアらしい。ひっさしびりにアマチュアらしい、痩せた音と多少ずれ気味のアンサンブルを聴いた気がしました。しかし、それでもそんなに下手に感じなかったんですよ。アンサンブル自体はいい。多少アインザッツがずれているだけ。ハイドンの作品は決してやさしくはないですが、この団体の現在の実力が出たかなって感じです。

次のモーツァルト。テンポがやっぱりゆっくり目。なかなかアレグロにはしてくれないなあって思います。けれども、これはこれでありなので、まあいいかと。問題はアンサンブル。これが、ハイドンよりはいいんですよ。多分、トラが入っているせいだろうとは思いますが、それは音の痩せているのが多少改善される程度のこと。アインザッツやアンサンブルがトラが入っただけで改善されるわけがありません。本来、このオケが秘めた実力を持っている証拠だと思います。特に第4楽章は良いテンポで激しい中で、アインザッツがあってきたのはさすがだと思いました。

それと、全体を通じて感じたのは、アインザッツが合わない部分も、2度同じフレーズが出てくる場合、2度目では解消されていることです。これ、いいオケの証拠です。これができないオケだと、完全に空中分解しますから・・・・・

休憩のときに、トイレの近くで団員さんを間近で見る機会がありましたが、本当に若い人ばかりです。

休憩の後、3プロ、メインの「運命」。アインザッツがずれ気味なんですが、それなりにアンサンブルあっているんで、ぜんぜん気にならないんです。むしろ、情熱がこちらにビンビン伝わってきます。これにはうなりました。これは予想よりいい演奏が聴けると、確信しました。

第2楽章もゆったりとしたテンポの中で、しっかりと表現できていましたし、「運命」の肝とも言うべき、第3楽章〜第4楽章は、勝利の音楽として完璧なくらい!特に金管、トランペットがいいですね〜。礼拝堂という比較的狭いホールで、ぶっ放すと本当にじわっと感動します。自分たちが良い演奏をするには、礼拝堂くらいの大きさがあっているってわかっているんですね。痩せた音は相変わらずなのに、第4楽章では次々に感動の嵐が私を包み込みます。目にも多少涙が・・・・・

その点では、注文を付けるとすれば、もっと大胆にpp〜ffまでつけていいと思います。できると思います。実際、ところどころできているんです。ということは、このオケは数年後大化けすると確信しました。設立から同じくらいの宮前フィルそっくりなんです。で、正直宮前フィルの団員の方には申し訳ないんですが、この横浜アマデウスのほうが同時期の宮前フィルよりうまいんですよ。ですから、恐らく数年後には、宮前フィルを追い越していくでしょう。若人の吸収力は、半端ないですからね。

最後のフィナーレは、フラブラ〜!もう少し残響も含めて聴かせてほしかった〜。それだけ素晴らしいんです、このオケ。金管だけでなく、実は弦もすごい!チェロは賛助ばかりなのかなって思ったら、かえってプログラムを見てみたら、賛助、つまりトラは3人だけなんですよ!でも、第3楽章のトリオ、一音一音が明確で、その上でテンポよく演奏できているんです。これ、トラが入っているだけでは説明つかないんです。もともとの団員のレヴェルがそれだけ高くないと、ここはアマチュアだとごちゃごちゃする筈の部分なんです。それがないだけでも、驚きました。

全体的には本当に感動する演奏が無料だったなんて、まだ夢を見ているかのようです。どれだけ上手になるか、見届けたいなって気になりました。ふと演奏会予定を見ると、殆ど土曜日ではありませんか!こりゃあ、育てて行かないとです!是非とも次回もかけつけたいと思います!どれだけうまくなっているのか、楽しみです^^




聴いてきた演奏会
横浜アマデウス室内合奏団 第17回教会コンサート
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第1番ニ長調
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
交響曲第40番ト短調K.550
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
アンコール
フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ作曲
交響曲第5番宗教改革」より第3楽章
今井清治指揮
横浜アマデウス室内合奏団

平成29年12月2日、横浜南、日本基督教団清水ヶ丘教会礼拝堂

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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