神奈川県立図書館所蔵CD、今回はこのコーナーでは久しぶりにベートーヴェンの第九を取り上げます。ドホナーニ指揮、クリ―ヴランド管弦楽団他の演奏です。
ドホナーニと言いますと、クラシックでは何人かいますが、今回取り上げるのは、以前マイ・コレでも取り上げているクリストフ・フォン・ドホナーニのことです。
クリストフ・フォン・ドホナーニ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%9B%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%8B
マイ・コレクション:ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
http://yaplog.jp/yk6974/archive/268
上記エントリを挙げた時、クリ―ヴランドの演奏を私は高く評価していますが、その時からこのコンビで第九が聴きたいという希望を持っていました。実際、出ていましたから。しかしいつの間にか廃盤になってしまったらしく、その後は失念していました。
ところが、ここが県立図書館のいい点なのですが、あったのです、廃盤になったはずの、ドホナーニ/クリ―ヴランド管の第九が。ですので、借りたという訳でした。
ここ3年ほど、私は年末になると図書館で第九を借りています。やはり時期ですしね。ただ、これを借りましたのは2年前の11月。年末と言えばそうですがちょっとだけ早いですね^^;
でも、点数や他に借りる関係で、借りた一点でした。もし今でも私が合唱団員であれば、ちょうど本番1か月前くらいの、かなり直前という感じでいたと思いますから。例えば、かわさき市民第九とか、ですね。ですから、早すぎるということは私の中ではなかったです。
全体的に演奏は端正であるだけでなく、激しさもあって、全体的なバランスが取れつつ、情熱的な演奏に仕上がっています。特に、第1楽章の激しさは絶品で、アメリカのオケだからとか、セルじゃあないしねえというのはいったん横に於いてほしいと思います。激しさと端整さが同居するなんて、そうあることではありません。
セル/クリ―ヴランドはまた別に取り上げますが、それとはまた違った魅力をもちます。特に第九が持つ熱情をきちんと表現している点は、素晴らしいと私は評価したいと思います。
恐らく、多くの人が評価しない点が第4楽章なのでしょうが、まあ確かに細部ではどうかなあという点もありますが、全体を壊すほどではないですし、むしろソリストより合唱団の素晴らしいアンサンブルを聴いてほしいなあと思います。いつも私が指摘するvor Gott!の部分もきちんと6拍振っているのに、熱く血がたぎるその演奏は、聴いていてこみあげるものを押さえることが出来ません。
クリ―ヴランドはセルの演奏のイメージが強すぎて、損しているのではないかと思うことがあります。セルとドホナーニとでは美意識が全く異なりますので、当然聴きどころが異なるんですね。前の私であればその点が分からずにどちらかに軍配を上げてしまうところですが、指揮者がどこに注目して振っているのかが分かってくると、基本的にああ、そこ理解できます、でも、わたしはこう思いますので、いい、或いはだめ、ということが言えるようになってきますので、楽しいですね。
その意味では、クリ―ヴランドのアジャスト能力を褒めるべきでしょうし、その基礎を作ったことにおいて、セルを評価すべきだと私は思っています(実際、世の評論家の方も大部分はそうですよね)。これは聴き比べてみないと分からない点です。それが税金だけでできる県立図書館は、さすがとしか言いようがありません。
第4楽章だけではなく第2楽章もきちんと聴いて欲しい!いい演奏しているのにかわいそうですよ。
聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
キャロル・ヴァネス(ソプラノ)
ジャニス・タイラー(メゾ・ソプラノ)
ジークフリート・イェルザレム(テノール)
ロバート・ロイド(バス)
クリ―ヴランド管弦楽団付属合唱団(合唱指揮:ロバート・ペイジ)
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮
クリ―ヴランド管弦楽団
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