かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:クヌド・ヴァド版のモツレク

今回のマイ・コレは、4度目のモツ・レクです。クヌド・ヴァド指揮、トルンスカ・オルケストラ・カメラルナ他の演奏です。

これははっきり言って、珍盤です。というより、珍盤だからこそ買い求めたのですが・・・・・

しかも、生まれて初めてネット通販で。美濃太田(岐阜です、岐阜!)にある輸入CD専門の店から通販で買い求めました。

そういえば、これ以来ネット通販使ってないですね・・・・・教えられた店は他に数々あれど。今ではHMVも通販サイトを持っていますし、むしろそちらの方が主になっているという・・・・・

で、この演奏、いろんな物議をかもし出しています。いろんな意見が飛び交っていますが、基本的には以下のサイトが一番簡単にまとめているのではないでしょうか。

ヴァド版モツレク
http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/talk/mozart/vad.htm

演奏が下手であるというのは言い過ぎではないかと思います。この演奏、じっくり聴いてみますと、残響が長いことが分かります。教会音楽を聴き慣れていない日本人ならではの意見になってしまっています。この演奏、ロケーションは教会なのです。そうすると細部は聞き取りにくくなります。

実際、レクイエムは初演は教会だったとされています。

レクイエム ニ短調 (未完) K.626
http://www.marimo.or.jp/~chezy/mozart/works/requiem.html

この演奏はおそらく、演奏者に指揮者である校訂者がなめられているのだと思います。スコアリーディングがまだしっかりとなされておらず、そのため中途半端になっている点が散見されるからです。多少のアンサンブルの乱れがそれを示しています。つまり、いつもの自分たちが歌っている和音進行と違うものがそこに出て来るからです。

どんなに訓練しても、その校訂に疑問を持っているままですと、アンサンブルに若干ですが乱れが出るものなのです。歌うとき、あるいは演奏するときというのは、楽譜を見ようが見まいが、頭の中でまず旋律が先行し、それを動作によって音に出すからです。

オケにあまり乱れがないのは楽器は音を出すのが簡単なため、異なる音を出そうとしたときすぐ動作を訂正すれば失敗が少ないためです。ところが、合唱は音を出すにはとても多くの準備を要します。息をどこから吸い始めるかなど、実に大変なのです。ですから、どこかで異なる音を出そうと構えて準備を始めると、それを訂正する時間がなくて遅れるため、アンサンブルに乱れが出るのです。

これはアマチュアが下手である理由とほぼ同じです。アマチュアはそれが恒常的ですが、プロは意識さえ統一できればさほど問題ではありません。それが、ちょっと統一できていないということなのです。このCDにはカップリングとしてヴェスペレK.339の「ラウダーテ・ドミヌム」とアヴェ・ヴェルム・コルプスも収録されていますが、それはほとんどと言っていいほど問題ありません(特にアヴェ・ヴェルム・コルプスは完璧です)。ここまで聴かないと・・・・・

それと、発声にも特徴があります。まるで下から当てたような感じですね。ぶら下がり気味といいますか、そういった発声になっていますが、それは合唱団が年老いているからではなく、多分に「モーツァルトの時代」というものを指揮者が意識しすぎたせいでしょう。

校訂に関しては同じ感想を持っています。このヴァド版はジュスマイヤー版を基本とし、ジュスマイヤーが作曲した部分をよりモーツァルト的に近づけることを主眼としています。つまりはサンクトゥスとベネディクトゥスです。その部分に校訂がなされているわけですが、サンクトゥスの前半部分の校訂は私は支持します。しかし、それ以外、特にベネディクトゥスはこのHP作者同様、支持しかねます。モーツァルトはこんな転調するかなあという感じがします。

全体的に、校訂者である指揮者が気負いすぎで、前のめりになっているのに合唱団がついて行っていないという印象です。この校訂はこの演奏でなくてもあまり支持はされないでしょう。ただ、サンクトゥスの一部は傾聴に値すると思いますし、全体的にジュスマイヤーを支持している点は、評価すべきではと思います。どんなに演奏が素晴らしくても、モンダー版を私は支持できかねますので。



聴いているCD
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
レクイエム ニ短調K.626(ヴァド版)
ボゼンカ・ハラシモヴィツ=ハース(ソプラノ)
カタルジナ・ススカ(メッゾ・ソプラノ)
オレ・ヘデガールド(テノール
オレ・ストーフリンク(バス)
ソラヌ合唱団
クヌド・ヴァド指揮
トルンスカ・オルケストラ・カメラルナ
(CLASSICO CLASSCD 288)



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