かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:スクリャービン ピアノ・ソナタ全集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、3回シリーズで取り上げているスクリャービンのピアノ・ソナタ全集、今回は第2週を取り上げます。

第2集には、第6番から第10番までが収録されています。第1曲目の第6番を聴いたとたん、第1集の第5番までとは世界が違うことに気が付きます。

もちろん、様式的には、第5番からすでに変化は起きています。しかしこう全体の中で聴きますと、第5番はまだそれほどでもなく、この第6番から明らかに和声的変化が起きており、ほぼ「法悦の詩」のような世界が提示されます。

その神秘的な和声を、小山女史は味わって、半ば楽しそうに弾いているのがわかるんです。いやあ、これはハイレゾで聴きたいくらい!

特に、繊細なタッチが、ひとつの「歌」となっているため、作曲家や演奏する小山女史それぞれの「魂」が混然一体となって、スピーカー越しに聴こえてきて、自分を包み込む感覚に襲われます。ウィーン・フィルマーラーのような、音場に包み込まれる感覚というか。

もちろん、私の家は安アパートなので、それだけのオーディオを構築することなどできず、PCにハイレゾ対応のスピーカーをつけているだけですが、それでも音に包み込まれるという感覚になるのは素晴らしくそして楽しい瞬間です。

和声としてはかなり神秘主義ですが、様式的にはソナタ形式に留まり、新しい様式を冒険しているわけではないんですが、それでもその生み出している世界は、とても心地よく、思想や想像を呼び起こさせます。これは確かに、ベートーヴェン以来の創造家が出現したと言っても過言ではないでしょう。

そんな作曲家のピアニズムを、音に浸りながらもまた己を保持しつつ味わう小山女史。そのピアノが奏でる、神秘的な世界と歌・・・・・・いやあ、もうこのままずっとPCの前にいたい!

・・・・・いえいえ、出勤のお時間です。いや~ん、もっと楽しませてほしい、味わわせてほしい!

・・・・・帰ってきたら、また楽しむことにしましょう。いっそ、スマホに入れておいてもいいかもと・・・・・そんな時間ないか。

 


聴いている音源
アレクサンドル・スクリャービン作曲
ピアノ・ソナタ第6番作品62
ピアノ・ソナタ第7番作品64「白ミサ」
ピアノ・ソナタ第8番作品66
ピアノ・そなた第9番作品68「黒ミサ」
ピアノ・ソナタ第10番作品70
小山実稚恵(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。