かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:デュセック ハープ・ソナタ集

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はデュセックのハープ・ソナタを集めたアルバムをご紹介します。

そもそも、デュセックって誰?って話ですけれど、以前ベートーヴェンと同時代の作曲家としてご紹介したことがある人で、むしろロマン派に対して影響を与えたと言われている作曲家です。イギリスやフランスで活躍した人ですが、そもそもはボヘミア出身なので、正確には「ドゥシーク」と呼ぶそうです。

ja.wikipedia.org

ですので、古典派からロマン派にかけて活躍した作曲家だといえるでしょう。とはいえ、彼の作品は必ずしも当時流行したわけではなかったようです。評価されたものもあったようですが、ほとんどはロマン派の時代が明けてから評価されたようです。

では、どれほど古典美がないのかと言えば・・・・・あれ?この古典美は一体何?と思う和声なのですよ、ええ。少なくともここに収録されているハープ・ソナタに関しては。

だれの模倣もしない、ということは言い換えれば、流行に乗らない、ということを示しているのではないかと思うのです。ということは当然ですが、安易にロマン派には乗らない、ということを示しているのではないでしょうか。同時にそれは、安易に古典派として保守にならないということも意味しています。

時代の移り変わりを見極め、その中で自分の音楽を追求し紡いでいったのがデュセックであり、その自立心というか、囚われのない部分をロマン派の作曲家たちが参考にした、という可能性も0ではない以上、デュセックを華麗なる一発屋だとか、日和見主義だとか言うのは適切ではないような気がします。

自分はこう思う、という意思をはっきり持ったうえで、いろんな勢力の人と付き合うのであれば、それはあまり問題ではないように思います。日和見主義というのは、己というものをもたないであっちへ着いたりこっちへ着いたりすること、ですから。どうもデュセックは違うような気はします。

いずれにしても、古典派的な響きがする作品ですが、様式的には独奏なんです。ここが、デュセックの先進性だったのだろうと思うのです。そしてそのハープのなんと美しいことか!まるでわたし(以下自己規制)

演奏するザニボーニは、古典的に端正な演奏を心がけているように聴こえますが、自然とハープのきらびやかな響きというものが浮かび上がります。とにかく自然体で、肩の力も入っていないような演奏は、常に癒しの響きを持っています。激動の世の中にあって、音楽を必要とする人たちが何を求めているかは、しっかりと抑えられているように演奏から聴こえるのはわたしだけなのでしょうか・・・・・

 


聴いている音源
ヤン・ラディスラフ・デュセック作曲
ハープ・ソナタ ヘ長調リッチモンドヒルの娘」
ハープ・ソナタ 変ホ長調作品34-1
ハープ・ソナタ 変ロ長調作品34-2
ハープ・ソナタ ハ短調作品2-3
エレナ・ザニボーニ(ハープ)

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