かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:バレンボイムとウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラによるベートーヴェン交響曲全集4

東京の図書館から、4回シリーズで取り上げております、府中市立図書館のライブラリである、ダニエル・バレンボイム指揮ウェスト・イースタン・ディヴァン・オーケストラによるベートーヴェン交響曲全集、今回は第4集を取り上げます。収録曲は第7番と第8番の2つです。つまり、第5番からはしっかり番号順になっているのです。仮にハイレゾで出れば、番号順になるかと思います。

交響曲第7番
交響曲第7番は、1811年~12年にかけて作曲され、1813年に初演された作品です。後年ワーグナーによって「リズムの権化」と呼ばれた、リズムに特徴のある作品です。

ja.wikipedia.org

若い人が多いせいなのか、この第7番の演奏は第1楽章からどっしり系のテンポでありながらもノリノリ。どこか情熱すら感じられます。標題がない曲の方がオーケストラの成り立ちから言って感情移入しやすいのかもしれません。

乱れるようなこともなく、そして朗々と歌い上げる部分もあり、本当に素晴らしい演奏!その意味では、ここまで若さと円熟さの2面性が見られます。恐らくなんですが、ユダヤ人とパレスチナ人とで習熟度で多少違いがあるのかもと思います。それをバレンボイムの卓越したタクトがまとめ上げているという印象を受けます。

第4楽章で多少乱れ気味ではありますがすぐ立て直し、アンサンブルを合わせているのはさすが。プロオケでそのような場面に遭遇するのも珍しいと言えますが、それもまたこのオケの魅力だとも言えるかと思います。できればCDなども継続した音源が出されるといいのにと思います。その第4楽章はとても情熱的なので、その分オーケストラが走ってしまったのだと思います。それもまたご愛敬。

交響曲第8番
交響曲第8番は、1814年に初演された作品です。標題がついていませんがこの曲も第2楽章など第7番同様リズムが強調された作品だと言えます。一方で表面的に古典的に見えても随所に新しいことを採用している作品でもあります。特に第3楽章がメヌエットでありながらも実際はスケルツォだったり、第4楽章がロンドであるにも関わらず事実上のソナタ形式だったりするのが代表例です。

ja.wikipedia.org

このリズムを協調するという点では、この演奏は特に優れています。ゆったりなテンポでもリズムを感じますし。特に第2楽章のメトロノームを想起させるリズムはしっかりと表現されていますし、それ以外の楽章でもリズム感満載です。これはウェスト・イースタン・ディヴァンならではだと思います。特に第7番で見られたような乱れが第8番では見られず、むしろ若い人が多いからこそベートーヴェンの先進性を見抜き共感しているかのよう。

また、第2楽章と第3楽章の対称性も、この演奏からはしっかり聴き取れます。本来緩徐楽章のはずの第2楽章はテンポが速く、急楽章であるスケルツォである第3楽章はメヌエットとなっているため穏やか。そのコントラストもしっかりついているのもいいです。これが第8番も魂とも言えるべき部分の一つと言えるためです。そこをしっかり押さえているのも、バレンボイムらしいですしまた応えるオーケストラもさすがです。

第4楽章のまるでおちゃらけ的なのも生き生きとしていて素敵。若いって本当にいいなあと思う演奏です。若いからこそ乱れる部分もありますが、それほど目立っているわけでもないですしそれが魅力にもなっているのもさすがプロ。思い切り楽しんでいるのが手に取るようにわかります。プロオケでここまで楽しんでいる演奏を聴けるのはあまりなく、本当に掘り出し物だと言えるでしょう。本来はCDで全集を揃えようかと思っていたものですが、図書館にあってくれて本当に助かりました。

さて、別途第九はエントリを立てることにしましょう。その第九も一度エントリを立ててはいますが、今また全集の中で聴いてみたらどんな印象を持つのか、それもまた楽しみです。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第7番イ長調作品92
交響曲第8番ヘ長調作品93
ダニエル・バレンボイム指揮
ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。