かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:エッティンガーと東京フィルの「第九」

今月のお買いもの、平成27年12月に購入したものをご紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、エッティンガー指揮東京フィルハーモニー交響楽団演奏の「第九」をご紹介します。

東京フィルなので、ロケーションは渋谷のBunkamuraオーチャード・ホール。このホールで演奏された第九をご紹介するのは2度目で、演奏そのものをご紹介するのは三度目です。

マイ・コレクション:日本の室内オケの第九
http://yaplog.jp/yk6974/archive/641

マイ・コレクション:東急文化村オーチャード・ホールこけら落としの「復活」
http://yaplog.jp/yk6974/archive/501

第九でいえば、二つの演奏は室内オケと通常のオケとの違いというのではなく、演奏スタイルの違いによる響きの違いが楽しめて、面白いものとなっています。この東京フィルのものでいえば、やはりモダンオケの能力をフルに発揮したうえで、その残響が美しいことがはっきりと聴き取ることができます。

指揮者エッティンガーの解釈は奇をてらうことなく端正です。だからこそ残響が美しいと聴こえるかと思います。ロイヤル・チェンバーはかなりバロックに近い演奏なので、ホールが確かに響く素晴らしいものであるという事は言えるのですが、それが美しいかと言えば必ずしもそうとは言えません。ただ、どちらともホールをきちんと「楽器」として使っている点では、素晴らしいかと思います。

ですので、このCDがよくて以前取り上げたロイヤル・チェンバーがだめというわけではありません。ただ、全体のできとしては、合唱団がプロであるゆえに、この東京フィルのほうに軍配が上がってしまうのは否めないでしょう。それはロイヤル・チェンバーの合唱団が芙蓉合唱団で、アマチュアだからですが、その芙蓉合唱団も決してダメなわけではありません。アマチュアのレヴェルでは素晴らしいのですが、やはりプロと比べてしまうと・・・・・という事です。

ですから、アマチュア合唱団を基本的にはプロと比較はしないわけなんですが、CDを評論するときは仕方なしにやらざるを得ません。となると、よほど素晴らしい合唱団でないと、このCDの東京オペラシンガーズという、プロの声楽家が集まった団体には対抗できないのは自明の理でしょう。

ただ、だからこその批判になりますが、日本のプロ合唱団は基本的に西欧の発声、つまりビブラートをフルに使った発声をするのが通常で、このCDでも同様なのですが、しかし私の理想は実は主に東欧のビブラートなし、なのです。その点ではアマチュア合唱団に目をみはる団体が多いので、どうしてもアマチュア合唱団の方を評価する傾向にあります。確かにプロですからこの演奏は素晴らしいのですが、一つだけ難をつけるとすればそのビブラート全開の発声なのです。

オケは東フィルですからあまり難癖をつけることもないかと思いますが、合唱団はやはり私もアマチュアながら歌ってきた人間なので、「この発声はねえ・・・・・まあ、日本のプロなら仕方ないけど」となります。基本、ビブラートはつけないという指導者で歌ってきたので。

それでも、この演奏はとても熱いものが伝わってきていいです。音を少し上げますと、指揮者が指揮台上で飛び跳ねているドン!という音が聴こえてきます。ライヴ音源らしい熱気がそこには記録されており、好感できます。常に私が問題にするvor Gott!の部分も、きちんとvor一拍に対してGott!が六拍となっているのに、もっと長く感じられるほどの情熱がこもっています。これはさすがプロだと思います。

プロならではの演奏を聴くことができると言えるでしょう。その上で、ヨーロッパ並みのホールの響きも楽しめる一枚です。




聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
森摩季(ソプラノ)
谷口睦美(アルト)
シー・イージェ(テノール
堀内康雄(バリトン
東京オペラシンガーズ
ダン・エッティンガー指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
(タワーレコード TPTW-1008)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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