かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:久石譲とナガノ・チェンバー・オーケストラによる第九

今月のお買いもの、令和元年12月に購入したものをご紹介します。e-onkyoで購入したハイレゾ久石譲とナガノ・チェンバー・オーケストラによる第九です。レーベルはエクストン。

そもそも、ナガノ・チェンバー・オーケストラって?久石譲って言ったらあの作曲家だよね?と私の頭の中ではクエッションマークだらけだったのですが、よくよく調べてみるとこれがなんとも意欲的なオケなんですよ。

www.nagano-arts.or.jp

しかも、長野と言えば、ホールはせいぜいあの長野オリンピックの時に第九を演奏した、長野県文化会館ぐらいしか頭になかったため、長野市芸術館と聞いてさらに混乱。どうやら2016年に長野市役所わきに開館したホールとのこと。それもとても素晴らしいホール!

www.nagano-arts.or.jp

ところが、勘のいい方ならお分かりかと思いますが、その室内オケの更新が2018年で止まっているわけなんです。私も最初こんな地方でこれだけの意欲的な活動が継続できるのか?と思いましたがそれは予想通り・・・・・今年3月には音楽監督だった久石譲氏が退任、現在オケは宙ぶらりんになっているようです。

これ、クラウドファンディングとかできなかったのかなあって思うんです。長野県のような、夏は涼しい都市だからこそ実現できる「音」ってあるんです。しかも、常設のオケが作り出す「音」は、次世代に引き継がれていくはずなんです。とても残念ですが、予想通りの展開をたどってる・・・・・

長野県はおろか、長野市の予算規模でどれだけのことができるかと言えば、かなり疑問なわけです。これ、かなり最初期に知っていれば私の認識だとかが違っていたのになあと、残念でなりません。私には諏訪の血が流れていますから・・・・・

日本は、現役の作曲家が第九を振るという機会が少ない珍しい国だと思っています。これが欧米なら、指揮者だけれども作曲もしているという人が結構いるんですよね。それが普通だったりします。久石譲と言えば、私などはジブリアニメやNHKスペシャル映像の世紀」のサントラなどでおなじみの作曲家ですが、実は純音楽も作曲していたりします。

ja.wikipedia.org

しかも、ミニマルって・・・・・もう前衛も前衛です、これ。そんな作曲家が、第九を、しかもフレッシュなオケに第九を振る。ワクワクします。そしてそのワクワクは、実際にアヴァンギャルドな第九の体験でした。しかし、じつはこの音源、192kHzでDLしたんです。まずスマホで聴いたのですが、音がよすぎるwイヤホンでは、ダイナミクスという点で再現ができていないと感じました。これはおそらく、スピーカーのほうがいいだろうなあ、と。

その予想は見事に当たりました。ダイナミクスは断然スピーカーの方がいいですし、音の微細さや臨場感もスピーカーのほうが上だったんです。これは実はハイレゾだと私は初体験でした。こんなこともあるんだなあ、と。

音がいい・・・・・それはいい点悪い点あると、はっきり認識できた気がします。とはいえ、やはり臨場感は半端ない!もっと言えば、再生する音がよくなればなるほど、再生装置もそれなりなものが必要になる、ということでしょう。

はじめは96kHzでもいいと思ったんですが、それだと管弦楽だとスマホだといいんですがスピーカーだと少し物足りなさも感じていたんですが、やはり今の私の再生環境だと、スマホは96kHzなんだなあと実感しました。ただ、これがさらにいいイヤホンになったとき、果たしてどんな「音」になるかはまた楽しみが増えたなあと思います。

特に、この演奏、合唱団はアマチュアなんです。栗友会に信州大混声、そして長野市民の有志。でも、栗友会が中心になって引っ張り、力強い演奏が実現できているのは詳細にわかるのも、またハイレゾならではだと思いました。そのうえで、vor1拍に対してGott!3拍・・・・・完全なる変態演奏!けれども、力強さとしなやかさが同居する素晴らしい演奏です。

同じようなオケに、ムジカ・エテルナがありますが、なんでロシアのオケじゃなくてはいけないの?って思います。もちろん、ムジカ・エテルナはいいオケだと思います。けれどもクルレンツィスの解釈はどうもなあって思っています。一方、このナガノ・チェンバーは本当にアクセントといい、のびやかさといい、本当に素晴らしい!こんなオケを長野市という、県庁所在地とはいえ本当に小さな自治体が支援しようと3年頑張られたのには敬意を表するしかありません。これは長野の人たちは誇りに思っていいと思います。

作曲家だからこその視点で自由な演奏、そしてその自由さが生み出す生命力。いつか再び、長野の地でオケが演奏されることを祈っています。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」
安井陽子(ソプラノ)
山下牧子(メゾ・ソプラノ)
福井敬(テノール
山下浩司(バリトン
栗友会合唱団
信州大学混声合唱
市民合唱団
久石譲指揮
ナガノ・チェンバー・オーケストラ
(Exton ovcd00699)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。