コンサート雑感、今回は平成29年12月30日に聴きに行きました、MAXフィルハーモニー管弦楽団の第7回第九演奏会を取り上げます。
MAXフィルの第九は、昨年も聴きに行きましたので、取り上げています。
コンサート雑感:MAXフィルハーモニー管弦楽団第6回第九演奏会を聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1530
上記エントリの最後のほうで、来年も!とはいったものの、さて、仕事の都合がどうなるのかという心配もあったのですが、なんと!今年は土曜日にやってくれたんです。
実は、昨年のように木曜日だと、かなり難しかったのでした。シフトの都合上、ことしは木曜日が夜勤になっていたから、なんですが・・・・・なんとまあ、神様はこのオケと関わらせてくださるのでしょうか!
今年は、金曜日と土曜日の2日間で、昨年同様、合唱団がそれぞれ異なっていまして、昨年は第九を歌う会だったのが、今年はMAXフィルハーモニー合唱団が担当。どんな違いがあるのか?それとも同じなのか・・・・・期待は膨らむばかりです。
プログラムは、以下の通りです。
�@ジョン・ウィリアムズ作曲 映画「スーパーマン」よりスーパーマンのマーチ
�Aジョン・ウィリアムズ作曲 映画「スターウォーズ」よりメイン・タイトル
�Bルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲 交響曲第9番「合唱付き」
え?なんでジョン・ウィリアムズ?とクラシックファンの皆さんの中には、首をかしげてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、まあ、私も面喰った一人です。ただ、ジョン・ウィリアムズならそのシンフォニックな和声は特徴的で素晴らしいものが多いわけで、一度コンサートピースとして聴いてみるのはいいんじゃないかって思ったのです。
恐らく、MAXさんも同じ気持ちで入れたんだと思います。ちょうど、今映画館では「最後のジェダイ」が封切られている最中です。会場であるメルパルクで、フルオケで聴きますと、特にスーパーマンのテーマは不協和音も多用されているのにまるでファンファーレなんですよ。メインテーマであるけれど、オペラからすればしっかりと序曲の役割を持っている作品であることが、MAXさんの演奏で証明されたのです。
そういえば、日本は映画音楽を軽く見る民族ではないかって思います。自国の映画音楽は元より、ショスタコーヴィチが作曲したものでも、コルンゴルトでも、アーノルドでも、です。ハリウッドだからという声も聴きますが、ならなんでショスタコの映画音楽は取り上げないんだということになります。ショスタコも、映画音楽を取り上げているオケはアマチュアのダズビだけです。プロオケでコンサートピースに載ったのを見たことがありません。
年1回しか演奏会を持たない彼らだからこそ、映画音楽への想いは強いのかなって思いました。その意味でも、私はMAXフィルさんのこのプログラムに深く共感します。特にこの映画音楽2曲は、第九に負けないアインザッツの強さがあり、演奏もノリノリでした。第九のウォーミング・アップとしてはやりすぎではないのかというくらいです。
で、第九です。今年もオケの編成は対向配置で昨年と一緒なんですが、昨年と少し印象が変わったのが、アインザッツの強さはありますし、強い想いも感じるんですが、それ以上に美しかったんです。情熱と冷静の間が素晴らしく、知的かつ熱い!それでいて、美しいというのはなかなか実現できるものではありません。しかも、ホールは響かないメルパルクです。それでも、演奏できる喜びが全面に出ており、聴いていてもう夢見ごこちです。
寝る寸前まで行きました。いや〜あぶないあぶない。それだけ、MAXフィルさんがうまいんですよ。痩せた音も若干あるんですが、殆ど目立ちませんし、それよりもオケは2日目なので、疲れている反面、余計な力を抜くことに集中していたかなって思います。にしては、1プロ、気合い入りまくりですけどねwここでもう一丁ヤマトも!・・・・・って、無理でしょうね。
今年はvor Gott!の部分も特に変態演奏ではないですし、オーソドックスな演奏ですが、小さなアコーギクが随所にあるんですね。特に第4楽章がそうで、しかしそれがまた自然で、気持ちが入っていていい!特に練習番号Mの前は一旦ゆっくりになるんですが、しかしすぐアップテンポ!素晴らしい!
で、変態と言えば、合唱団はもしかすると口語体だったかなって思います。ソリストは文語体かな?混じっているなって思いました。合唱団はそれほど問題なかったようですが、つい癖で文語体になっていたと言う感じなのかもしれません。でも、歌えているので、東響がやったように、完全口語体でもいいじゃないかって思います。最後の「抱きあえ、いく百万の人々よ!」もしっかり「しゃべれて」いるのも、日本の合唱団としては素晴らしいことですし、これぞ私の聴きたい第九!って感じで、最後残響まで楽しみました(勿論、メルパルクなんでそれほどないですが)。
聴いている人も判っているかのように、一瞬の静寂の内に拍手!ブラヴォウ!当然だと思います。熱くかつ美しい、力づよい第九を聴かせていただいて、もう感謝の言葉しか出てきません。
来年も日程が合えば、是非とも聴きに行きたいですね〜。もう、CD出しちゃいましょうよ。ダメか〜、ダズビみたいにはいかないか〜
対向配置は、日本のオケ、プロのみならずアマチュアでも当たり前になりつつあります。2017年に聴いた第九はほとんどが対向配置でした。高津市民すら対向配置。それでも、素晴らしいアンサンブルが当たり前に出てきている点に、時代のうねりを感じます。明らかに日本のオケは異なるフェーズに入っていると断言します。まだプロオケにまで波及するには少し時間がかかるでしょうが、かならず日本のオケは変っていくでしょう。
未来に希望を感じる、素晴らしい演奏でした!
聴いてきたコンサート
MAXフィルハーモニー管弦楽団第7回第九演奏会
ジョン・ウィリアムズ作曲
映画「スーパーマン」よりスーパーマンのマーチ
映画「スターウォーズ」よりメイン・タイトル
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
林田さつき(ソプラノ)
長澤美希(アルト)
澤崎一了(テノール)
照屋博史(バス)
MAXフィルハーモニー合唱団(合唱指揮:宇野徹哉)
古澤直久指揮
MAXフィルハーモニー管弦楽団
平成29年12月30日、東京港、メルパルクホール
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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