東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介します。今回から2回シリーズで、アラウが弾くショパンのノクターン全集をとりあげます。
ショパンのピアノ曲に関しては、県立図書館にてアシュケナージが弾いたものを借りてきています。けれども、アシュケナージも天才ではありません。どの曲も私の好みに合うというわけにはいきません。とはいえ、それはそれで素晴らしい演奏ではあるんですけどね・・・・・
そこで、小金井市立図書館の棚で見つけたのが、アラウのノクターン全集だったというわけです。フィールドが創始したノクターンは、ショパンによって広まったと言っていいでしょう。そのショパンの代表ジャンルともいうべきノクターンを、アラウはどう弾くのか、わくわくして借りた記憶があります。
さて、まず第1集。番号順に並んでいまして、第1番から歌う歌う!最も有名ともいうべき第2番も歌いまくる!アコーギクを存分に使ってまるでポルタメントのようにピアノを歌わせるんです。いんやー、これぞ私の待っていたショパンだ!
ピアノの「詩人」とショパンは言われますが、とはいえ彼は決して詩を読んだのだろうかと思うんです。いろんなことを抱えながら生きたショパンは、詩ではなく歌を残したのではと私は思っているんです。ですからちょっとだけするりと抜けていくアシュケナージではなく、このアラウの演奏のほうが好みです。
多分、覚えておいでの読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、アシュケナージのを取り上げたとき、いつかほかの演奏者のを買うか借りてくるかすればいいだけだと述べたことがあったかと思います。実はこの全集はその宣言を実行に移したものなんです。アラウは以前、モーツァルトのピアノ協奏曲やベートーヴェンのピアノ・ソナタを借りてきていますが、その演奏で好きなピアニストの一人です。ですからこの音源を借りたというわけですが、少なくともこの第1集に関しては大正解だったといえるでしょう。
私はショパンは「詩人」ではなく「歌人」だと思っています。いわゆる歌詠み人です。あるいは俳人か。だからこそ、存分に歌ってくれるアラウの演奏は、適度に酔わせてくれます。いいわ~💛
ショパンの喜怒哀楽が、まるで万華鏡のように音で迫ってくる・・・・・アラウの演奏は、彩り豊かです。
聴いている音源
フレデリック・ショパン作曲
第1番変ロ長調作品9-1
第2番変ホ長調作品9-2
第3番ロ長調作品9-3
第4番ヘ長調作品15-1
第5番嬰ヘ長調作品15-2
第6番ト短調作品15-3
第7番嬰ハ短調作品27-1
第8番変ニ長調作品27-2
第9番ロ長調作品32-1
第10番変イ長調作品32-2
第11番ト短調作品37-1
クラウディオ・アラウ(ピアノ)
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