かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:アシュケナージのベートーヴェンピアノ・ソナタ全集1

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリを今回はご紹介します。9回シリーズで、アシュケナージの演奏によるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集をとりあげます。

ベートーヴェンが作曲したジャンルのうち、交響曲と並びいくつも全集を買ったりリッピングしたりして持っているのが、ピアノ・ソナタだといえます。つい先日もファジル・サイのをポチったばかりなのですが、これは府中市立図書館にあるものを借りてきてリッピングしてあるものです。

元のレーベルは忘れてしまいましたが、とにかく、アシュケナージも全集収録しているのかーと思い、ショパンの時とどう違うんだろう、あるいはどう同じなんだろうと思い、借りてきたのがこの全集でした。

先日、引退を宣言したアシュケナージ。ピアニストとしてだけではなく、指揮活動も含めて音楽家から引退をするという発表は、新型コロナウイルス蔓延のさなか世界を駆け巡りました。そんな発表の3年ほど前に借りてきたのがこの全集なのですが、それにしてもタイミング良すぎという気がしなくもありません・・・・・ちょうど今年は、ベートーヴェン・イヤーですしね。

さて、ちょうどそんなタイミングのいい時に取り上げるアシュケナージの演奏によるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集。番号順に並んでおり、アシュケナージベートーヴェンのピアノ・ソナタをどのようにとらえているのかが明確であるようにも思います。その捉え方とは?

一言で言えば、スタンスを変えないなあ、です。ショパンの時同様、ここは早いパッセージだと判断すれば、それがたとえ古今東西ほかのピアニストならテンポを落としたりするところでも快速で駆け抜けていきます。そう、いい意味での「自己視点」なのです。しかしこれ、初めて聴く人はかなーり当惑するんじゃないでしょうか。私はショパンで経験済みなので、「あら、またやってるのねwwwwwww」で終わりですけれど。その代表例が第2番です。

しかしアシュケナージの演奏の魅力は、遅いテンポだと思いっきり感情を込めるというか、たっぷりと弾くという点にあると思います。そこに共感できるのか否かで、その演奏をいいと判断するのか悪いと判断するのかが変わってくるんだと思います。その意味では、とても興味深いピアニストがアシュケナージだといえるでしょう。

第1集からアシュケナージ「節」全開なのは、これぞアーティストというべきでしょう。その意味では、いい演奏ですが一番最初に神奈川県立図書館で借りた山根弥栄子女史の演奏は、ちょっとだけ冒険心が足らない演奏だね、とは言えるように思うのです。いや、それでも十分素晴らしい演奏ですけどね、ただ、アシュケナージと比べると、その個性は・・・・・とはなるんですよね。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調作品2-1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調作品2-2
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。