かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:アシュケナージが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集10

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介しています。シリーズで取り上げてきました、アシュケナージが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の、第10集です。

最後のって書かないの?と思われるかもしれませんが、確かこれ、最後ではないはずです。第11集まであるはずなので。そしてそこまで、わたしは借りています。

新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急事態宣言が解除され、図書館に行けるようにはなりましたけど、私はまだ行けずにいます。ですので全く新しいライブラリをリッピングできていませんが、これからどうなるか、情勢を見極めています。そのため、歯抜けになった部分まで借りることができるかどうかも、不透明な状況です。

さて、その歯抜けで借りてきたこの全集も第10集まで来たわけで、ピアノ・ソナタとしては最後の部分になるわけです。ベートーヴェンのピアノ・ソナタの最後の3つ、第30番から第32番までが収録されています。そして、たいていこの3曲の中では第32番が最も印象深いのが通常の全集なのですが、何度聞いても、このアシュケナージのでは、第30番と第31番のほうが印象深いんです。第32番ではない。

どこか、さらっと弾いてしまっているんです。そっけないというか・・・・・ジャズ風のあの旋律が、ほとんど頭に入ってきません。むしろそれが、アシュケナージの才能なのかもしれません。第30番も第31番も、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でも素晴らしい個性的な作品なのに、たいてい第32番までの通過として聴いてしまいますから。ところがこの全集では、第32番はおまけであり、第30番と第31番の印象が強いんです。

思わず「まいりました」と言わざるを得ません。それは私が、素晴らしいにも関わらず、第30番と第31番をまともに聴いてきてないという証拠でもあるからです。いや、自分ではそう思っていませんし、読者の方もそこまでではないだろとフォローしてくださるとは思います。しかしながら、アシュケナージは明確に「貴方の聴き方は差別だ!」と演奏で言い放っているわけなんです。そう、第30番と第31番、そして第32番との差別です。

私自身はそんな差別はしていないつもりでしたが、確かにその扱いには差がついていたかもな、と思います。特徴のあるジャジーな旋律がある第32番と、そんな特徴的な旋律はない第30番と第31番とを、です。ですがアシュケナージは、その2曲にも魅力的な部分がたくさんあることを示しています。特に打楽器的な部分が多い第31番は聴きどころ満載!

こういう時に、やはり私は元合唱屋だなあと感じざるを得ません。ピアノという楽器を扱ったことがないので、どうしても特徴的なものが見えにくくなっているんだなあと実感させられるのです。アシュケナージの演奏は、わたしにとって「たらざるものを指摘する」素晴らしい演奏です。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調作品109
ピアノ・ソナタ第31番変イ長調作品110
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調作品111
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。