かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ルービンシュタインが弾くショパン ノクターン2

東京の図書館から、ルービンシュタインが弾くショパン作品集の今回は第2回目。ノクターンの第2集です。

収録されているのは、第11番から第19番。あれ?と思われたピアノ曲が好きな方もいらっしゃるのではと思います。そうなんです、第20番と第21番が収録されていないんです。これ、第3集に入っているのか言えば、そもそもノクターンに第3集がありません。なので本当に第20番と第21番が収録されていないんです。

ja.wikipedia.org

その理由は明らかではないんですが、考えられるとすれば、第20番と第21番は遺作である、という点です。ただ、この2曲がショパンの作品ではないという確認はなく、本人の作曲には間違いないとされています。完成されておらずスケッチの段階だとされています(第19番も遺作とされていますがこちらは完成されたもので、ショパン17歳の作品をショパンの死後に出版されたもの)。

そのため、ルービンシュタイン、あるいはこのアルバムの編集者が完成品ではないので外したと考えるのが自然かと思います。おそらく編集者の判断ではないかなあという気がしています。ルービンシュタインとすれば同郷の作曲家なわけですから、すべてを収録したいと考えるのが自然ですので。

作品は1838年~1846年にかけてほとんどが作曲されており、唯一違うのがショパンの死後に出版された第19番です。上記カッコ内で完成されていると述べましたが、直筆譜が残っていないため、他者が完成させた可能性もあるそうです。ですがルービンシュタインはそれは入れています。なのでおそらくは編集者の判断ではないのかなあと想像するわけです。

演奏を聴いていると、本当に溌剌というよりは、深い思考の底にたどり着くという印象です。それも一つの表現ですし、聴衆として魅力的だと思います。不思議なことにショパンピアノ曲は、真逆の解釈であっても演奏がそれぞれ味わい深いのです。アシュケナージの若い時のような溌剌とした演奏も素晴らしいですし、ルービンシュタインの沈思黙考のような演奏も心に響きます。私が聞いた時期というものもあるのかもしれませんが・・・・・アシュケナージの演奏を評論した時期はもう10年以上前です。そこから自分を取り巻く環境や状況は変化しており、好む演奏も変わるでしょうしまた好む演奏の幅も広がって当然だろうと思います。

79歳という年齢でのショパンを表現したこのルービンシュタインの演奏は、年齢を重ねた私だからこそ受け入れられる部分もあるのかもしれません。その意味では、現代のピアニストでそのような演奏ができる人は果たして何人いるのだろうかと思います。

 


聴いている音源
フレデリック・ショパン作曲
ノクターン第11番ト短調作品37-1
ノクターン第12番ト長調作品37-2
ノクターン第13番ハ短調作品48-1
ノクターン第14番嬰ヘ短調作品48-2
ノクターン第15番ヘ短調作品55-1
ノクターン第16番変ホ長調作品55-2
ノクターン第17番ロ長調作品62-1
ノクターン第18番ホ長調作品62-2
ノクターン第19番ホ短調作品72-1(遺作)
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)


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