かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ルービンシュタインが弾くショパン マズルカ2

東京の図書館から、5回シリーズで取り上げております、小金井市立図書館のライブラリである、アルトゥール・ルービンシュタインが弾くショパンのピアノ作品集、今回はマズルカの第2集です。収録されているのはマズルカ第26番から第51番までです。

ショパンマズルカには、番号がついていない作品もいくつかありますが、このアルバムでは番号がついているものが採用されています。一方で編集としてはノクターンとは異なり、遺作が含まれているという点です。具体的には第42番から第51番は遺作です。とはいえ、どこか小節が抜けているというようなモーツァルトにあるようなものではなく、細部が詰められていないというものです。

ja.wikipedia.org

1曲1曲についてはウィキペディアよりはピティナのほうが正確なのでそちらを検索していただくとして、ウィキペディアのほうを出したのには理由があります。遺作と言っても細部が詰められていない形になっていると述べましたが、実は青年期の作品も入っているからです。普通なら遺作といえば晩年の作品のように思われますが、ショパンマズルカの場合必ずしも晩年の作品が遺作となっていると限らないのです。要するに、スケッチで終わってしまってそのままになっているものを、弟子などが校訂して出版されているということなのです。それが検索としてわかりやすいのはウィキペディアのほうなので、私はウィキペディアを上げています。本来ならピティナのほうで俯瞰できるページがあれば正確性という意味でそちらをあげるのですが、現状ピティナはそのようなページを削除しているようなので仕方ありません。

なぜマズルカでは遺作を入れたのかはわかりませんが、ルービンシュタインの意志なのかもしれません。一応、遺作を入れたとしてもメディアとしては容量が足りないことはそれほどないわけですし。とはいえ、このアルバムでも遺作がすべて収録されているわけではありません。入れられるだけ入れるという感じになっています。実際、番号が付されていないものは含まれていませんので。

そう考えると、このアルバムはそもそもがレコードとして発売されたわけですから、かなり曲を絞って収録されていると言えましょう。ルービンシュタインの演奏からはこのアルバムに関しては溌剌としたものさえあり、「ショパンマズルカはまだまだあるんだ。まだ弾き足りないよ」という気持ちが伝わってくるかのようです。

そして、どの曲を聴いても楽しげですし、快活です。マズルカポーランドの民謡がベースになっているという点もあるんだと思います。先日、私が電車に乗って出かけるときにとある駅で外から炭坑節が聞こえてきて、もう盆踊りの時期か~と私も感慨にふけったものでした。おそらく、ルービンシュタインマズルカにはそんな祖国への想いが想起されるのではないでしょうか。マズルカポーランドの民謡であるだけでなく舞曲ですしね。

ショパンピアノ曲に民謡、しかも舞曲が使われているということは、私たちが盆踊りを踊ることとさほど変わりがないと私は考えています。ルービンシュタインの演奏に共感するのはまさに、同じように民謡に感慨する自分がいるせいであることは間違いないと思います。それをライトモティーフに使ったのが、先日取り上げたJR東海東海道新幹線車両の新しい車内チャイムであるわけです。「会いに行こう」は盆踊りではなくJPOPですが。音楽があまりにも大衆化しすぎていて、この歴史的な動きが理解できない人が多いのが、私は気になっているのですが、皆さんはいかがでしょう?

 


聴いている音源
フレデリック・ショパン作曲
マズルカ第26番ハ短調作品41-1
マズルカ第27番ホ短調作品41-2
マズルカ第28番ロ長調作品41-3
マズルカ第29番変イ長調作品41-4
マズルカ第30番ト長調作品50-1
マズルカ第31番変イ長調作品50-2
マズルカ第32番嬰ハ短調作品50-3
マズルカ第33番ロ長調作品56-1
マズルカ第34番ハ長調作品56-2
マズルカ第35番ハ短調作品56-3
マズルカ第36番イ短調作品59-1
マズルカ第37番変イ長調作品59-2
マズルカ第38番嬰ヘ短調作品59-3
マズルカ第39番ロ長調作品63-1
マズルカ第40番ヘ短調作品63-2
マズルカ第41番嬰ハ短調作品63-3
マズルカ第42番ト長調作品67-1(遺作)
マズルカ第43番ト短調作品67-2(遺作)
マズルカ第44番ハ長調作品67-3(遺作)
マズルカ第45番イ短調作品67-4(遺作)
マズルカ第46番ハ長調作品68-1(遺作)
マズルカ第47番イ短調作品68-2(遺作)
マズルカ第48番ヘ長調作品68-3(遺作)
マズルカ第49番ヘ短調作品68-4(遺作)
マズルカ第50番イ短調(エミール・ガイヤールへ、遺作)
マズルカ第51番イ短調(ノートル・タン、遺作)
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。