かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ブラームス合唱曲集

今回の神奈川県立図書館所蔵CDは、ブラームス全集の中に入っている、ブラームスの合唱曲集です。シノ―ポリ指揮、チェコ・フィルほかです。

ブラームスの合唱曲集は以前マイ・コレでもご紹介してます。

マイ・コレクション:ブラームスの合唱曲集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/738

この時、こう述べています。

「実はそういったものが神奈川県立図書館にもあるのですが、いま借りて済ますかそれとも買うか、迷っています。できれば解説がほしいなと思っているからなのですが・・・・・」

このコメントは、実はこの音源を念頭に出したものだったのです。その理由は、第2曲目の「勝利の歌」作品55にあります。

勝利の歌は、第1曲目の「運命の歌」と同じ年に完成されたもので、実は正式には「ドイツ軍勝利の歌」といいます。ブラームス普仏戦争でドイツが勝利したことを喜んで作曲した作品ですが、上記エントリでも実は触れていまして、その時この音源が念頭にあって以下のように述べているのです。



4曲目は当時初めて聞いた「運命の女神の歌」です。合唱団のみで歌われる曲がブラームスのオケ付き合唱曲は多いのですがこれもその一つで、運命の歌、哀悼の歌と並ぶ名曲です。ウィキではブラームス本人に関する項で普仏戦争による勝利を祝う曲とありますが、それは単なるきっかけに過ぎなかったようで、私が持っているCDのブックレットには普仏戦争に関する記述がありません。このCDはこの当時の私としては珍しく輸入盤を買っていまして、解説は英語なのですがそこに戦争という言葉が見当たりません。出て来るのはゲーテをテクストとするということだけです。「運命の歌」もヘルダーリンの歌詞をかなりブラームスらしい解釈をしていると言われていますし、恐らくこの曲もゲーテの詩を普仏戦争の勝利に引き寄せて関連付けて作曲したのだろうと思います。

それを明確に説明してくれているサイトがありました。

ブラームスの音楽
http://www.prmvr.otsu.shiga.jp/ensemblevoce/Brahms/Brahms3.html

(6) 管弦楽付き合唱曲で説明がありますが、この曲はブラームスの晩年の作品なのですね。普仏戦争の勝利ということではなく、その戦争に命を捧げた人たちを悼んだ曲ととらえるほうが正しいのではと思います。純然たる勝利に関する曲は「ドイツ軍勝利の歌」だけだと思います。



この「ドイツ軍勝利の歌」も、ドイツ軍万歳!取っているかと思いきや、実は直接ではなく、聖書からの引用になっています。ある意味、とてもブラームスらしい作品だと思います。愛国心があり、なおかつ敬虔なプロテスタントであったブラームスらしい作品です。

他の曲はすでに聞き及んでいるものばかりですが、この音源を借りたのは運命の歌が聴きたくて、だったのです。この音源では、第2部でとても引き締まった演奏をしていて、好きな演奏の一つとなっています。

運命の歌 (ブラームス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8B%E5%91%BD%E3%81%AE%E6%AD%8C_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)

それはさらに「運命の女神の歌」で顕著です。ブラームスが失恋をきっかけに作曲した曲ですが、とても筋肉質な演奏で、引き締まっています。後期ロマン派であるブラームスが、古典に範を取ろうとしていた姿勢にリスペクトした演奏だと言えるかと思います。

これを知っていたら、もしかすると上記エントリのCDは買わなかったかもしれません。それだけ図書館のヴォリュームは素晴らしいものがあります。恐らく別冊で解説もありますので、それを書き写すこともできたでしょう。つくづく、無知とはもったいないことだと思います。

まあ、今ではいろんな演奏が聴けるのだから幸せなのだと思うようにしています。ですので、今ではさらにまた図書館で借りてこようかと画策しています。



聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
運命の歌 作品54
勝利の歌 作品55
ヨハネの黙示録第19章による、8声の合唱とオーケストラのための
 ハレルヤ!救済と讃美
 我らの神を讃美せよ
 そして私は天が開かれるのを見た
悲歌(哀悼の歌)作品82
運命の女神の歌 作品89
ヴォルグガング・ブレンデルバリトン、勝利の歌)
プラハフィルハーモニー合唱団(合唱指揮:ルボミール・マートル)
ジュゼッペ・シノーポリ指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団



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