かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:チャイコフスキー・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲

今回の「マイ・コレ」は、チャイコとメンデルさんのヴァイオリン協奏曲です。ヴァイオリンはチョン・キョンファ、指揮はシャルル・デュトワ、オケはモントリオール交響楽団です。

でも、これは当時買いたいCDではなかったのです。

このCDを買ったきっかけは、実は大学の図書館でおこなわれたCDコンサートです。このような企画は今でこそ多くの図書館で行われるようになりましたが、当時はなかなかする図書館がなくて、私も今のところ大学の図書館で行われたものしか参加したことがありません。今では、足しげく通っている神奈川県立図書館でも行われるようになりましたが(最近は、クララ・シューマンを取上げていたりしています)。

確か、そのときのヴァイオリニストはパールマンだったと思いますが、その演奏がとても気に入ったので、それが欲しかったのです。ところが、これがとても人気でなかなか手に入らない・・・・・

その次善として買ったのが、この一枚だったのです。しかし、あきらめた理由はもうひとつあります。それは後輩の一言だったのです。

昨日、このCDを買ったのは大学2年生か、あるいは一年生と申し上げましたが、はっきりと大学2年生と思い出しました。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を探しているうちに大学2年生になり、後輩がサークルに入ってきました。当時クラシックが好きな学生など国史学専攻ではほとんどおらず、サークルでも先輩でただ一人。そんな状況の中、もうひとりクラシック好きの後輩がサークルに入ってきました。その彼も実はチャイコのヴァイオリン協奏曲が好きで、しかも大のお気に入りがパールマン

すっかり意気投合して、新歓コンパか何か、確か彼が入学してすぐの段階で「実は、パールマンの演奏でチャイコのヴァイオリン協奏曲は探しているんだけど」と切り出しましたら、彼は、

「○○(私の本名です)先輩、あれは人気でなかなか店にないでしょ?チョン・キョンファも出していますけど、あれもいいって評判ですよ。私も彼女の演奏聴いてみたいので、先輩ためしに買ってみたらどうですか?」

びっくりしました。実は、私も次善の策として、彼女を買おうと思っていた矢先でした。「そんなにいいの?彼女の演奏は聴いたことないんだけど」

「私、一度だけ聴いたことありますが、いい感じですよ!絶対、先輩が好きになると私は思います」

まあ、乗せられたという側面もあると思いますが、結局、その後輩が言ったとおり、買ってみましたらとてもいい演奏だったのです。いやあ、パールマンの名演と比べますと、いろいろありますけどね・・・・・・

確か、このCDはその彼に貸したと思います。その結果は、まあまあというものだったと記憶しています。それはそうでしょう。あのパールマンの演奏を聴いてしまったら・・・・・

でも、結局今でも欲しかったCDは手に入らず、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はCD-Rでいただいた演奏とこのCDというラインナップ。つまり、この演奏にかなり満足しているという証拠でもあります。というより、このCDを聴いて、チョンに一目ぼれしてしまったのです。

特にいいのは、実はチャイコではなく、カップリングのメンデルスゾーンなのです。チャイコはちょっと熱すぎて音が若干ですが不安定になる部分もあるのですが、メンデルスゾーンは一切それがありません。こういうロマンティックでかつ理性的な曲を演奏させたら、彼女はすばらしいですね。それはいずれご紹介しますが、ベートーヴェンブルッフといった作曲家の作品を演奏しても同じです。後年、確かラトルとバルトークも演奏しているとおもいます。

結局、欲しいものが手に入らなかったことが逆に良かった、という結果になりました。それがかえってよかったのではないかなあと、今では思います。それは、ブルッフバルトークといった作曲家にも目を向けさせるきっかけにもなってゆくのですから。

それにしても・・・・・・今回ご紹介した2枚のCD、いずれもアタッカがある作品なんですよね。それを選んで買ったわけではありません。ただ、この2枚が私がさまざまな作曲家のコンチェルトを聴くきっかけになって行ったのは間違いないと思っています。

後年、ポータブルDATがついに壊れ、携帯電話をデッキとして使うことによりmp3を聴くことを決断したとき、ファイル結合のお試しとしてこの2枚はリッピングしています。ベートーヴェンの運命とともに、この2枚が浮かんだのは言うまでもなくアタッカの存在です。私にとってはオーディオチェックとしても最適な2枚となっています。



聴いているCD
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
フェリックス・メンデルスゾーン作曲
ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
シャルル・デュトワ指揮
モントリオール交響楽団
(ロンドン F00L-23013)