かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:シューマン・グリーグ ピアノ協奏曲

今週のマイ・コレは、協奏曲特集という感じです。今回はシューマングリーグのピアノ協奏曲です。指揮は減るベルト・フォン・カラヤン、ピアノはクリスティアン・ツィマーマン、オケはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。

実は、今週取上げる2枚は同時に購入しています。もともと、協奏曲に興味がなかったわけではないのでしたが、当時やれ受験だ、大学入学後はサークルだと忙しく、なかなか交響曲中心のライブラリを変えるような購入ができずにいました。そんなとき、生協で見かけたのがこのCDでした。

クリスティアン・ツィマーマンという名前も初めてでしたが、当時私はやたらグリーグチャイコフスキーの協奏曲が聴きたかったのです。そこで有名作品をまとめ買いしたのです。いずれも廉価盤でしたし^^;

多分、このCDを買ったときにはもう大学2年生になっていたのではないかと思います。もしかすると大学一年生の年末かな?それくらいのタイミングだったと思います。好きな人が片思いですができたりして、自分自身とても幸福に満たされていた時期だったと思います。いや、正確にはいろんな出来事がありましたけど・・・・・

そんな気分が高まって、グリーグチャイコフスキーの協奏曲が聴きたい、という意識が芽生えてきたときに、本当にタイミングよく出会ったのがこのCDでした。録音年代も近かったでしたし、それが購入の決め手だったと思います。

というのも、これは指揮がカラヤン。当時私は大のカラヤン嫌いでした。それはやはり中学時代に音楽の時間で聴いたカラヤンの運命が大きく影響していました。いやあ、カラヤンなんて快速すぎるから、というのが意識にありました。

ただ、このCDはそれを完全に覆してくれました。そのとき私はまだ何にも理解していなかったのです。指揮者が交響曲を振る場合と協奏曲を振る場合では全く違うアプローチを見せることを・・・・・

協奏曲は、基本的にソリストがメインであるわけです。どんなにカラヤンがビッグネームであろうとも、ソリストを立てなくてはなりません。その制約の上で、自分の独自色を打ち出す・・・・・その掛け合いを楽しむのが、協奏曲です。それをはじめて勉強したのが、この一枚だったのです。

一見しますと、ツィマーマンが目立たなくてカラヤン/ベルリン・フィルがメインのように聴こえますが、実際には特にグリーグのピアノ協奏曲ではそれほどテンポが速い、つまりカラヤンがぐいぐい引張っているわけではありません。それを知ることになるのは、もっと他の演奏を聴いてからで、そこでやっと初めてこの演奏のすばらしさを知ることになりました。これはカラヤン/ベルリン・フィルとツィマーマンとのアンサンブル、なのです。

そうか、これこそ協奏曲の醍醐味なんだな・・・・・それに気づくのには、10年以上かかりましたが、それまでこのCDを保有し続けてよかったなと、今となっては思います。そのことで、シューマンのピアノ協奏曲も随分聴くことになるわけなのですから。

このCDは古くはカセット、そしてDAT、今ではmp3となって常に携帯している音楽のひとつです。聴く頻度も非常に高い曲です(ですから、ヤマトを見たときにグリーグのピアノ協奏曲がかかったときにはびっくりしたわけです)。つまり、この2曲は非常に聴く機会が多いということになるのです。聴く曲が偏っている私が、シューマングリーグのピアノ協奏曲をとても高頻度で聴いているわけです。

シューマンのピアノ協奏曲なんて、もしこのCDを買っていなければやっと今頃図書館で借りて聴いている、という段階でしょう、実際、これはカミング・アウトしますが借りていないだけでもう何度も私は図書館でシューマンピアノ曲を物色しています。それだけ、今はシューマンピアノ曲に興味が向いてきている、ということになります。やっと時は来た、という感じがします。

随分回り道をしてきたような気がしますが、でもこのCDを粘り強く聴いてきたおかげで、今シューマンピアノ曲にめぐり合おうとしています。グリーグはまだなかなか他の作品まで聴けていませんが、それでも図書館で棚を探したりしていますので、彼もそろそろその時が来るのかもしれません。



聴いているCD
ロベルト・シューマン作曲
ピアノ協奏曲イ長調作品54
エドアルド・グリーグ作曲
ピアノ協奏曲イ短調作品16
クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(ドイツ・グラモフォン F00G 27034)
※これは今でも多分売られているでしょう。グラモフォンのベスト100のうちのひとつですから。今でも、この演奏は基準になることが多いみたいですね。そんなCDを売る生協も生協・・・・・あの4年間は、本当にすばらしかったなあと思います。