かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:小金井市民オーケストラ第35回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は平成30年6月2日に聴きに行きました、小金井市民オーケストラの第35回定期演奏会を御紹介します。

横浜から多摩地域へと移ってきて、ずっと思っていたのは、地元の市民オケが聴きたいなあ、ということでした。特に小金井はずっとその機会があっても予定や仕事などで行けなかったものですから、この機会をずっと待っていたのです。

さて、小金井市民オーケストラは、1982(昭和57)年創立の、多摩地域でも比較的古いアマチュアオケになります。宮前フィルが平成に創立されたことを考えますと、回数は少ないものの、時間をかけて着実に歩んできたと言えるでしょう。

小金井市民オーケストラ
オーケストラ紹介
https://koganeiorchestra.jimdo.com/%E5%B0%8F%E9%87%91%E4%BA%95%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9-%E5%9B%A3%E7%B4%B9%E4%BB%8B/

ですので、まず会場である宮地楽器ホール(小金井市民交流センター)大ホールに入ってびっくり!時間がなくて開演ギリで入ったのですが、なんと!宮前フィル並みの大盛況なんです!

宮地楽器ホールは、横の方まで客席が伸びてきている構造ですが、その横の席まで一杯!残っているのはもう舞台真ん前くらいだけと言う状態・・・・・それでも、何とか2階席の、正面から若干左側、オケから見れば右ですね。丁度第1ヴァイオリンの前位に座ることができました。

http://koganei-civic-center.jp/facilities/mainhall.html

始めて入ったのですが、不思議なホールです。シューボックス型なので残響が少し短いのが玉にきずなんですが、しかしその響きはとても柔らかいんです。まるで神奈川県立音楽堂にいるみたい。

ですので、とても暖か味があるホールだと言えます。それが駅前って・・・・・あれ、小金井って金なかったんじゃ・・・・・

まあ、それは置いといて。今回のプログラムは、以下の通りでした。

�@ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
�Aベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
�Bシューマン 交響曲第3番「ライン」

まあ、ベタと言えばベタなプログラムなんですが、それでも、ベートーヴェンのピアの協奏曲なら、第5番「皇帝」をやりたがるのがアマチュア・オケの悲しい性なんですが、なのにです、昨年瀬川玄氏も弾いた、第4番を選択するって・・・・・どんなオケ?って思うわけです、聴き慣れている私からすれば。

まずはウェーバーの「魔弾の射手」。驚いたのが、痩せた音、殆どないんです。勿論、少しはあります。でも、思ったよりはずっとない!しかも、金管が美しい・・・・・

・・・・・え、なんだこのオケ?随分うまい!勿論、トラは入っています。でもそのトラとしっかりアンサンブル出来てるんです。素晴らしい!

こんなオケが小金井にあったなんて・・・・・もう、嬉しくてしょうがないです。満席近いのも、納得です。しかも、この曲はその前の週に聴きに行った、中大オケと比較になるわけです、同じ曲なので。で、さらに小金井オケのいい点を指摘すれば、体がノリノリで動いているという点です。これは3曲すべてで共通していました。

これはとても素晴らしいことなんです。自分たちの単なる発表で終わるのではなく、楽しんでいることを伝えたい!という想いが演奏に乗ってくるからなんです。「魔弾の射手」でも、一部あれ?という部分もあったのですが全体的には素晴らしい演奏と言う印象になっています。これ、凄いことです。実際、それほどアラもなかったですし。

次のベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。これ、正直言って、瀬川玄氏の時よりもよかったんです。何が一番よかったかと言えば、ピアノとオケとのバランス、でした。其れが生み出す、演奏者からの「演奏が楽しい」という全身のよろこびのメッセージ。ソリストの安田氏のステディでかつ情熱的なピアノも、オケとぴったり!いやあ、地元でこんな素晴らしいベートーヴェンのピアコン第4番が聴けるなんて、思いもよりませんでした。

最後のシューマン。一番、体を揺らしていたのがこのシューマンだったと思います。中大生には是非お手本にしてほしいと思います。シューマンのよろこび溢れる作品を、全身のよろこびをもって演奏する・・・・・素晴らしかったです。ただ、このシューマンで一つ注文を付けるとすれば、小金井オケは本当に金管美しいんです。しかも今回、トランペットはトラいないんです。本当に素晴らしいトランペットなので、それを生かす演奏をしてほしかったなと。例えば、第4楽章冒頭。あそこは金管を美しく鳴らしてなんぼ、だと思います。もう少し指揮者がそこを意識してくれればなあって思います。その意味では、小金井市民オケの今後の課題は、常任の指揮者を置くと言うことだと思います。

常任の指揮者がいれば、オケがどんな特色を持っているかを把握していますから、どのように振れば魅力的で美しいアンサンブルを生み出すことができるかを考えてくれます。勿論時には、帝王カラヤンのようなタイプもいますが・・・・・たいていは、一緒に音楽を作っていってくれます。それができないでカラヤンのようにやってしまう指揮者は才能がないと考えていいので、あまり気にしなくていいです。カラヤンは才能と信念のもと、ベルリン・フィルという素晴らしいオケがあって初めてやれた帝王ぶりなんですから・・・・真似できないんです。それを真似しようとする指揮者なんて才能ありませんから。

ですから、自分たちの魅力を最大限引き出してくれる、指揮者を常任として迎えることができれば、もっと素晴らしいオケになると思います。今振り返ってみても、本当にアラがないんです。それは歴史が生み出したものだと思います。演奏してきた歴史、あるいは人が足らないから他に頼んできた中で培ってきた関係性という歴史という、二つの歴史があってこそだと思います。是非ともその歴史を次にいい形で紡いでいけるようにしてほしいなあって思います。

次回の11月は仕事の関係で微妙です。もし時間が取れるのならば、また聴きに行きたいと思います。




聴いて来たコンサート
小金井市民オーケストラ第35回定期演奏会
カール・マリア・フォン・ウェーバー作曲
歌劇「魔弾の射手」序曲作品77
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
ロベルト・シューマン作曲
交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」
安田正昭(ピアノ)
佐藤宏充指揮
小金井市民オーケストラ

平成30(2018)年6月2日、東京小金井、宮地楽器ホール(小金井市民交流センター)大ホール

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村