かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:オーケストラ・ダスビダーニャ第17回定期演奏会2

今月のお買いもの、今回は令和6(2024)年2月に東京芸術劇場で購入しました、オーケストラ・ダスビダーニャ第17回定期演奏会のCDの2枚目を取り上げます。

オーケストラ・ダスビダーニャはこのブログで何度も取り上げている東京のアマチュアオーケストラですが、第26回定期演奏会までは、前回の定期演奏会をCDにして、聴衆にも販売していました。今回、その販売が最後ということで買ってきたのが、第17回定期演奏会の物です。その2枚目は、第17回でメインのプログラムであった、ショスタコーヴィチ交響曲第6番です。

ショスタコーヴィチ交響曲第6番は、それ以後も第26回定期演奏会で演奏されています。それだけ、結構団内で人気がある曲なのかもと思います。では、ショスタコーヴィチ交響曲第6番とは一体どんな曲でしょう?

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1939年に成立したこの作品は、多分に当時の社会情勢を反映していると考えていいと思います。バーンスタインは「偽善の平和」という側面を述べていますが、表題がないこの曲は実は見てわかるメッセージがあると私は考えます。それが、この作品が三楽章形式であるという点です。

実は、ショスタコーヴィチ交響曲の中で、三楽章形式を採用しているのは、この第6番と他には第4番だけです。この三楽章という形式は、少なくとも西側では「自由」を隠喩として持っています。あるいは、聖なるものという意味です。バーンスタインが「偽善の平和」という解釈をしたのも、恐らくこの曲が三楽章形式であることも理由であろうと私は考えます。主張はロ短調。あれ?と思う方もいらっしゃるかもですね。そう、バッハのロ短調ミサと一緒なのです。バーンスタインチャイコフスキーの「悲愴」との関連を考えていますが、恐らくはチャイコフスキーの「悲愴」だけでなく、バッハのロ短調ミサも念頭にあったはずだと思います。そのうえで三楽章形式をとると言うことは、戦争の影がちらつく中で、ショスタコーヴィチがその影を感じ取り、おびえていたことを明確に示すものであると考えていいのではないでしょうか。

そういったことが、オーケストラ・ダスビダーニャの団員をして、どこか自分たちが社会から感じ取れる「何か」と同じように交響曲第6番をとらえ、共感していると考えていても不思議はないと思います。演奏を聴いていても、アンサンブルの素晴らしさが明確に曲に対する共感にあふれていますし、特に第3楽章で凶暴になるところで全くアンサンブルが乱れず、むしろ一糸乱れず凶暴性になだれ込むという感じです。それだけ、想いが一つになっているのを感じます。

マチュアオーケストラですからプロオケに比べればという点は確かにありますが、こういった気持ちが伝わる演奏はいつ聴いても感動しますし、魂が震えます。これだからアマチュアオーケストラを聴きに行くのは辞められませんし、またオーケストラ・ダスビダーニャの演奏会に足を運びたくなるんです。それがオーケストラ・ダスビダーニャという団体、そしてその演奏の魅力です。ショスタコーヴィチという作曲家とその作品への共感と愛に満ちている演奏・・・そして、その演奏を聴いた時の私自身の魂の喜び、愉悦・・・

他のジャンルの音楽を聴いているのでは味わえない魂のメッセージなのです。この演奏はコンサートホールだけでなく家に帰っても楽しみたいところですが・・・まあ、販売をやめるというのあれば仕方ないです。在庫も積み上がりますしね~。その管理、するのも大変だと思います。アマチュアオーケストラですからね・・・仕事の片手間でやるんですよ?いやあ、その管理私がやりたいくらいですが・・・いえ、本気です。しかも、もうCDではなく、ハイレゾで演奏会に来た人だけダウンロードできるように特典にしてしまえばと思います。何度かこの提案はしているかと思いますが、ぜひともご検討いただけると嬉しいです。ほんとに管理やるんですかって?当然でしょう!とはいえ、私も団員ではないですから・・・つまり、外注を受けるということになりますが、そういう仕事したいですね、是非とも。それもまた、アマチュアオーケストラに対する一つの貢献だと思っています。そういうビジネス、始めようかなあ。

この2枚目にはさらに、当日のアンコールが二つ収録されています。今回の第30回でも演奏された「モスクワ・チェリョームシキ」組曲から「モスクワ疾走」、そして映画音楽「コルジンキナの冒険」から「追跡」。これ、本当に楽しそうな演奏になっています。さらに掛け声まで収録!年に一度のお祭りを存分に楽しんでいるなあと感じます。だからこそ、聴いているほうも思いっきり楽しんですよね!

CD販売は終了しましたが、是非とも一度オーケストラ・ダスビダーニャの演奏会には足を運ばれることをお勧めします!きっとまた来年も聴きに来よう!と思うはずです。

 


買ってきたCD
オーケストラ・ダスビダーニャ第17回定期演奏会
ドミトリー・ドミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチ作曲
交響曲第6番作品54
オペレッタ「モスクワ・チェリョームシキ」組曲作品105a(A.コーナル編集)から「モスクワ疾走」
映画音楽「コルジンキナの冒険」作品59より「追跡」
長田雅人指揮
オーケストラ・ダスビダーニャ

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。