コンサート雑感：MAXフィルハーモニー管弦楽団2023第九演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は令和5（2023）年12月2日に聴きに行きました、MAXフィルハーモニー管弦楽団の2023年第九演奏会のレビューです。

MAXフィルさんと言えば、以前から毎年聴きに行っている団体で、この第九を聴かないと年が越せないと私は思っている団体です。ですが、今年は若干早く、12月2日に開催となりました。ちと早いんじゃない？って思いましたが、考えてみれば今までが年の瀬過ぎたんですよね・・・

MAXフィルさんはセミプロと言うべき団体で、プロとして活動はしているけれど、それぞれ団体には所属していなかったりという人たちが集まって演奏している団体で、ほとんど年末に第九しか演奏しないのですが、昨年くらいから第九以外も演奏するようになってきたという感じです。ただ、合唱団はほぼアマチュアなので、年の瀬に演奏会って、かなり負担だったのでは？という気がします。であれば、ちょうど2日くらいでということになろうかと思います。

さて、今年は12月2日ということで、演奏家はクリスマスを意識したプログラムになっていました。

①アンダーソン　クリスマス・フェスティバル
②ベートーヴェン　第九

そう、1プロがクリスマス・フェスティバルという・・・・・え？お祭り？そうです、そもそも、クリスマスってお祭りですしね。ですが、この「クリスマス・フェスティバル」という曲は、ほとんどクリスマス・キャロルの編曲で、なじみ深い曲が次から次へとでてきます。まっかなおはなの～トナカイさんはあ～と歌い出してしまいそうです。実際、団員の方たちは合唱団も含め、赤い帽子をかぶったり、明らかにサンタさんというような恰好をしていたりと、会場に入ったときにすでにオーケストラと合唱団がスタンバイしていたので、これはクリスマスムードだなあと思っていたら！さらに指揮の古澤氏もサンタクロース！いやあ、見せてくれますねえ。思わずノリノリです。演奏も体を動かしながら団員もノリノリ。セミプロと言っていいレベルなので、素直に楽しめます。この1プロには、中学生も入っていたとのこと。いやあ、そん色ない！その演奏に古澤氏が惚れ込んで、なんと、1プロアンコールがスターウォーズ！あの強烈で印象的なファンファーレが、ホールを満たします。もう、ボストン・ポップス聴かなくていいです・・・MAXさんで十分。

そして、第九。休憩10分で開始であることもあり、緊張感漂う、情熱的な演奏です。一方で、制限がない状態での久しぶりの第九なので、どこかしなやかさも感じられ、単に力強いだけではなく、どこか人間賛歌という印象を受ける演奏でした。そのうえで情熱的な部分もあり、とくにクライマックスの「抱きあえ！幾百万の人びとよ！」はアップテンポ！いつものMAXさんの演奏がそこにありました。そういえば、JR東海も東海道新幹線の新チャイムは「会いに行こう」。まさに、「時流により引き裂かれたものも、御身の不思議な力、ふたたび結び合わせる」「その優しい翼の元、すべての人は同胞になる」。

鉄道の乗車率は、特急を中心に未だコロナ前を下回っていますが、しかし、多くの人がいろんなところへ行き、いろんな人に「会いに行って」います。MAXフィルさんの第九は、その時期にぴったりな、力強く情熱的かつ、ハートウォーミングな演奏だったと思います。まさに指揮者の古澤氏が言うように、フォースとともにあらんことを・・・そのフォースは、「不思議な力」そのものではないかという印象を持って、家路に着きました。今年も素晴らしい演奏が聴けて、本当によかったなあと思います。

さて、これで今年は終わり・・・ではありません！まだまだ、12月に入ったばかりです。今年はなんと！あと2回、第九を聴きに行く予定でおります。うち一回は、名古屋遠征！さて、MAXフィルさんと比べ、どんな演奏を聴かせてもらえるのか、今から楽しみです（ちょうどこのエントリが立つ日に、名古屋へ聴きに行っております！）。

聴いて来たコンサート
MAXフィルハーモニー管弦楽団2023第九演奏会
ルロイ・アンダーソン作曲
クリスマス・フェスティバル
1プロアンコール
ジョン・ウィリアムズ作曲
映画「スターウォーズ」のテーマ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
林田さつき（ソプラノ）
長澤美希（アルト）
海道弘昭（テノール）
照屋博史（バス）
MAX第九合唱団（合唱指揮：古澤直久）
荒川区立原中学校吹奏楽部有志（1プロ）
古澤直久指揮
MAXフィルハーモニー管弦楽団