かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団によるハイドン・マラソン15

ひっさしぶりの「今月のお買いもの」コーナー、今回は以前から取り上げております、飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団の演奏によるハイドン・マラソンの第15集です。令和5(2023)年6月、e-onkyoネットストアでの購入です。

飯森・日本センチュリー響のコンビも、本当に板についてきたという感じです。収録されているのは第89番、第4番、第10番の3曲ですが、どれものびのびとした演奏で、かつ喜びに満ちています。そしてこのコンビの演奏をTune Browserで聴く初めての演奏ということにもなります。

ちょっと音量が高いと、途端にクリアな感じではなくなる印象・・・・・明らかに録音のせいだとは思いますが、一方でこの録音がおそらく舞台から高い位置で録音されていることを伺わせます。レーベルはエクストンですが、どうもそのような録音を採用するようにうかがえます。以前紀尾井ホールでのベートーヴェンの「運命」の録音でも、全く異なる指揮者とオーケストラであったにもかかわらず、同じ傾向がありました。今回の録音は音量をちょっと絞ってあげるだけで解消。

その意味では、ハイレゾはデータ量が多いだけに、スピーカーだと再生装置に左右されがちだと思います。ただ、Tune Browserがダメというのではなく、おそらくスピーカーだと思います。むしろTune Browserのほうがきれいに聞こえると思います(実際紀尾井ホールにおけるベートーヴェンの「運命」を以前再生させており、検証済みです)。

勿論、アプリにも左右されますので、PCで聴く場合は、いろんなアプリを試されることをお勧めします。

さて、今回収録されている3曲は、第89番はハイドンエステルハージ公のもとでの最終時期である1787年に作曲されています。第88番「V字」と一緒に作曲されたため「トスト交響曲ともいわれます。そのため以前は「W字」ともいわれていたようです。

ja.wikipedia.org

私にとってこの第89番は思い出深い作品で、初めて図書館でCDを借りたときに選択した一枚なんです。

ykanchan.hatenablog.com

ちなみに、上記エントリでも述べていますが、カップリングが協奏交響曲だったということもあります。その協奏交響曲を初めて聞いたのが、実は三鷹市芸術文化センター風のホールだったのです。なんという縁なのか・・・・・

その、神奈川県立図書館で借りた一枚の演奏者である、ブリュッヘン18世紀オーケストラに負けないだけの溌剌さと喜び、技術で持って演奏しているなんて、隔世の感です。それを借りたのがもうかれこれ15年以上前。その時間の間に、日本のオーケストラは本当に実力をつけたなあと思います。N響など在京のオーケストラならともかく、日本センチュリー響は大阪、しかも大阪フィルが幅を利かせているなかで、ですから・・・・・本当に尊敬します。

続く第4番と第10番はハイドンの若き頃の作品。1757~60年の間に作られてと言われています。1760年はハイドン28歳。それだけに多感様式的な和声と、三楽章制を取っていますが、気品と楽しさが同居し、聴く者を喜ばせるものです。特に第10番はイタリアオペラの序曲風で古めかしいですが、しかしその内部にある躍動感と生命力を、演奏は見事に引き出しています。こういった演奏を日本のオーケストラで聴ける日が来るとは!

どんな境遇にあっても、生き続けることの大切さを、こんな演奏から感じることができるんですよね。どん底のように思える日でも、希望は失うまいと心に誓える、勇気をもらったように思います。

 


聴いているハイレゾ
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第89番ヘ長調Hob.Ⅰ:89
交響曲第4番ニ長調Hob.Ⅰ:4
交響曲第10番ニ長調Hob.Ⅰ:10
飯森範親指揮
日本センチュリー交響楽団
(Exton ovcl00780 ハイレゾflac192kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。