かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:飯森範親と日本センチュリー交響楽団によるハイドン・マラソン19

今月のお買いもの、令和5(2023)年10月に購入したものをご紹介します。飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団によるハイドンの全曲演奏会シリーズの第19集です。e-onkyoネットストアでの購入、ハイレゾflac192kHz/24bitです。

この第19集に収録されているのは、第46番、第34番、第8番「晩」の3曲です。第8番だけはいずみホール、それ以外はザ・シンフォニーホールでの録音です。年月を調べてみますと、第8番が2020年1月、第34番が2020年10月、第46番が2021年7月と、それぞれ別なコンサートのものを集めてきています。この全集は全て一つのコンサートというわけではないので特段驚かないのですが、注目はその時期です。収録順は第46番、第34番、第8番と、実は遡っています。添付のブックレットには何も触れられていませんが、ちょうどコロナ禍へと移行する時期の録音である、ということなんです。第8番はコロナが確認されたけれどまだ緊急事態宣言が発令されていない時期。第34番と第46番は、コロナの感染拡大が広がって、緊急事態宣言も発令されているような時期における録音なんです。特に第34番は東京オリンピックの直後と言ってもいい時期です。ちょうどこの頃、私もコロナによる入院から還ってきたのに、体に変調を感じていた時期でした・・・・・

収録されている曲順を、ブックレットの解説からその作品がいつのものなのかを考えながら聴く時、気が付くことがあります。第46番はハイドン40歳の時の作品で、「疾風怒濤」期の最後の頃の作品。第34番はハイドン31~33歳ころの作品で、エステルハージ楽団の副楽長として充実した日々を送っていたあたりの作品。そして第8番は、ハイドン29歳ころ、エステルハージ楽団に就職して間もなくあたりの作品で、「朝」と「昼」と3つでセットと考えられている作品です。若い頃を振り返りつつ、実は時代の移り変わりを振り返っているように感じるのは、私だけなんでしょうか・・・・

コロナが発見され、徐々に感染が拡大し、緊急事態宣言が発令されることとなった、その道程を、まるで遡るかのように、ハイドンの作品も遡らせた編集を、私は感じたのです。ちょうどこの頃、コンサート会場もいずみホールからザ・シンフォニーホールへと変わっています。それは単に人気が出ただけでなく、感染拡大を考慮してという側面もあったのでは?と思います。その中で、上質な音楽を聴衆に届けようとする演奏・・・・・どの曲を聴いても、演奏が生き生きしているんです。渦中においても、研鑽を怠らず、その演奏レベルを維持し、さらには成長し続けようとした、日本センチュリー響のメンバーと、指揮者飯森範親とのコンビの姿が目に浮かびます。ハイドンのみずみずしい時期の作品だからこそ、生き生きとした演奏をして、苦しんでいる人々の希望の光になりたいと思っているような、そんな演奏なんです。勿論、それを感じるのはflac192kHz/24bitだからということもあるかもしれませんが・・・・・

録音というのは、どんなに技術が進もうとも、ライヴに勝てるものではありません。それは24bitのハイレゾであっても、です。いわんや、16bitのCDをや、です。ですが、ハイレゾ24bitだからこそ、ライヴにより近い感覚を得ることが出来て、演奏者たちの想いがさらにダイレクトに伝わってくると思います。これがライヴでは、どれだけ気持ちが聴衆に伝わるような演奏だったことかと思います。

この第19集からは、コロナ禍中、あるいは経た後の録音、ということになろうかと思います。非常に楽しい演奏の中に、高い精神性を感じられる演奏です。海外オーケストラでなくても、これだけたのしく精神性を感じられる演奏があるのかと思うと、私自身は海外オケの演奏を否定しませんが、あえて高い金を出してまで海外オケを聴きに行くつもりはありません。国内オケで十分である、と感じます。いつかは関西のオーケストラを、プロアマ問わず、聴きに行きたいものだと思います。今のところ、テレマン室内しかライヴで聴いた経験はないので、さらなる経験をしたいという意思はあります。果たして、それはかなうのか?できれば、まずはこの日本センチュリー響さんのコンサートに足を運べればなあ、と思っています。

 


聴いているハイレゾ
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲
交響曲第46番ロ長調Hob.I:46
交響曲第34番ニ短調Hob.I:34
交響曲第8番ト長調Hob.I:8
飯森範親指揮
日本センチュリー交響楽団
(EXTON ovcl00806 flac192kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。