かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:ブレンデルとラトルとウィーン・フィルによるベートーヴェンピアノ協奏曲全集1

東京の図書館から、今回から3回シリーズで府中市立図書館のライブラリである、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を取り上げます。アルフレッド・ブレンデルのピアノ、サー・サイモン・ラトル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集は意外と私はあまり持っておらずCDでは一つだけ。図書館で借りたのも確かこれが初めてです。では、ベートーヴェンのピアノ協奏曲が嫌いなのかといえば、大好きです!大好きすぎて、第5番「皇帝」で好きな演奏の印象が強すぎて、他の演奏が聴けなかっただけなんです。

その勇気ある第1歩を踏み出させてくれたのが、ピアニストがブレンデル、ラトル指揮ウィーン・フィルであること、だったんです。それでも、散々迷った末借りたんですね、これ。やはり、「皇帝はどんな演奏なんだろうか」という恐れと不安を手放すことがなかなかできなかったからです。

今回取り上げる第1集には、第1番と第4番が収録されています。つまり、番号順ではないんですよね。ベートーヴェンのピアノ協奏曲は番号順に成立していない(第2番が最初でその次に第1番)ので、これでも特段問題はないということにはなりますが。録音時間の都合なのでしょうか?いや、第1番と第2番の組み合わせでもCD収録時間をオーバーしないはずですが、おそらくそもそもはレコードだったということが主要因でしょう。若い人で今時レコード?と思うかもしれませんが、ブレンデルが活躍していた時代の大部分はレコードが主要記録メディアの時代です。なので第1番と第4番のカップリングであっても何ら不思議ではありません。

演奏はとても生き生きとしており、すでに持っているペーター・レーゼルのものよりも生命力がある演奏です。ですが第4番第1楽章のカデンツァは何となく好きになれません。第1番は特段問題ないんですが、第4番は私はレーゼルが採用したほうが好きですね。この辺りはピアニストの好みと私の好みが合うかどうかということなので、仕方ありません。その意味では演奏自体は素晴らしいのに残念に思います。ただ再度申し上げますが、あくまでもこれは好みの問題です。演奏は素晴らしいです。

カデンツァが1つだけなら、その演奏が自分に合うものかが判断材料ですが、カデンツァが複数ある場合はさらにそのカデンツァも好みに合うかという点があるため、なかなかベートーヴェンのピアノ協奏曲は他の演奏とならなかったわけなんです。第1番から第4番は本当にそれほど差がないんですけねえ。第5番だけなんですよ、ほんと・・・・・それはまた「皇帝」の時に触れますが。

ラトルの指揮ということでテンポも速すぎず遅すぎず、適度にどっしりしつつも溌剌としているのも好印象なんですが、カデンツァが、というところなんですね。その意味では、さらに他のを借りてもいいと思わせる演奏で、実はそれが以前取り上げたハイレゾのものへとつながるんです。

ykanchan.hatenablog.com

こういう出会いがあるのも、時には「これはいかがなものか」という演奏に出くわすことなんです。それを税金だけで経験させてくれる図書館。使わないと損しますよ!開架で貸し出している図書館なら、使い倒さない手はありません!その意味では、ツタヤ図書館って賑わいは作れますが文化は作れるのかなあとずっと思っています。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ協奏曲第1番ハ長調作品15
ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
サー・サイモン・ラトル指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。