かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ケンプが弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番と第5番

今月のお買いもの、令和3(2021)年5月に購入したものをご紹介します。ヴィルヘルム・ケンプがピアニストを務める、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番と第5番「皇帝」が収録されたアルバムをご紹介します。e-onkyoネットストアでの購入、flac96kHz/24bitのハイレゾです。

実際にこれをハイレゾとみなしていいのかどうかは疑問ですが・・・・・というのも、ご存じの方も多いと思いますが、この録音はケンプが収録したベートーヴェンのピアノ協奏曲全集からの分売であり、かつ録音年代が1961年というステレオ初期のものだからです。

ケンプが生きた時代を考えたとき、この録音を買うかどうか、実は相当悩んでいます。録音年代を考えたときマスターテープがデジタルだとは思えないからです。ということは、デジタルリマスターの上アップサンプリングされているということを意味し、であれば正確には疑似ハイレゾに分類されるべき音源だからです。

とはいえ、レーベルはドイツ・グラモフォンなのでスマホで聴きますと本当にいい音で鳴りますが、ではスピーカーでは?となると、途端に年代を感じざるを得ません。

演奏自体は、まるで跳ねるかのような生命力あふれる演奏で、熱いものが聴いていて魂で湧き上がってくるのを感じざるを得ず、感動の嵐です。一方でピアノのタッチは大胆かつ繊細。まさに名演と言っていい演奏です。が・・・・・

ソニーのスピーカー、SRS-HG10で聴きますと、どこかぼやけるんです。もちろんスピーカーや内臓アンプのせいもあるでしょう。特にアンプを替えれば変わるかもしれません。しかしこれがほぼ原音だとすれば、ステレオ初期ですからまああり得ることでもあります。

解像度が低い反面、ケンプや、オケであるベルリン・フィル、そして指揮者ライトナーらの情熱も同時に感じるのです。余計なものを排除してデータそのものを聴いてみれば、確かに解像度は落ちるものの、その生命力をエネルギーは無限大と言ってもいいくらい満ち溢れ、聴けば聴くほどついつい絶望しそうになる時に生きる希望が湧いてきます。

特に解像度が低い中で第5番「皇帝」が放つキラキラカラー。それを聴くだけで幸せになります。さらに今回、あえてさらにDSEE HXを動作させてアップサンプリングしながら聴いています。そこまでやればスピーカーでもピアノの解像度は増し、空気感が増します。その分さらに演奏が放つエネルギーは無限大になっていきます。

解像度という点では残念な点もあるのですが、演奏自体は生命に満ち溢れた素晴らしいもの。調べればCDでは簡易包装で売られていることもあるそうで、それならハイレゾで十分だね、と思います。こういう復刻はどんどんしてほしいです。当たりはずれはあると思いますが、データなら場所取りませんし。思い切って冒険ができるというものです。そしてその冒険の中であたりが出たときの喜びは、何物にも代えがたいギフトとなることでしょう。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
フェルディナント・ライトナー指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(Deusche Gramofon flac96kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。