かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:リース ピアノ協奏曲集5

今月のお買いもの、令和元年に購入したものをご紹介しています。今回はナクソスから出ているリースのピアノ協奏曲集の第5集です。

いわゆるリースのピアノ協奏曲全集ナクソス盤であるわけですが、実は第4集はすでに取り上げており、その続きということになります。ただその二つで違いがあり、第4集の時はCDでしたが、今回の第5集はハイレゾだということです。

リースの作品は結構私は気に入っており、いつかはピアノ協奏曲は全曲揃えたいなと思っているのですが、それがハイレゾということは現在のところないようです。せっかく第5集をハイレゾで出しているのですから、第4集以前もハイレゾで出してほしいところです。

さて、その第5集ですが、かなり初期の作品になる第2番と、序奏と華麗なるロンド作品144をはさみ第9番という晩年の作品とが並んでいる構成です。第2番の作曲が1811年、そして第9番の作曲が1832~33年と、その時間差にして22年という時が流れていますが、二つに共通するものはロマンティシズムだと思います。

古典派から出発したリースではありますが、ベートーヴェンよりは若いだけあって、ロマン派の影響を色濃く受けていると思います。とはいえ、ようやく扉を開いたという感じで、古典派的な色合いも強い作品だと思います。確かに第9番はむしろ前期ロマン派だと思いますが・・・・・

その意味では、メンデルスゾーンに近いなと私は思うのです。その意味では、再評価はまだまだこれからかなと思います。実際、メンデルスゾーンが現在再評価が進んでいる作曲家ですし・・・・・

ロマン派的な色彩が強いのはむしろ、間に挟まっている序奏と華麗なるロンド作品144だと思います。作曲は1825年とまだベートーヴェン存命の時代ですが、すでに時代はロマン派へと移っている時代。若いリースの進取の気性が見て取れる作品です。

それらを、歌うピアノのヒンターフーバー。第4集でも素晴らしいピアニズムを見せてくれましたがこの第5集でも健在!そしてサポートするグロット指揮ニュージーランド響。もうちょっと思い切りの良さもあってもいいかな~って感じはありますが全体的にはいいサポートをしているじゃないかなと思います。再評価がもっと進んで、メジャーオケが演奏するようになったら、ちょっとワクワクします。

古典派からロマン派にかけて、また独り取り上げる作曲家がクラシック界で増えたことはたいへんうれしいことだと思います。ぜひとも、リースの作品を取り上げ続けてほしい!その意味でも、さらなる録音をこのコンビでは期待したいものです。

最後に一つだけ、ナクソスさん、やっとPDFつけて下さいました!あっぱれ!それでこそ、CDからハイレゾへと時代が動くというものです。できれば図書館向けの配信もハイレゾにしていただけると嬉しいですね。あるいはそこから直接DLできたりとか・・・・・考える時期に来ているように思います。

 


聴いているハイレゾ
フェルディナント・リース作曲
ピアノ協奏曲第2番変ホ長調作品42
序奏と華麗なるロンド作品144
ピアノ協奏曲第9番ト短調作品177
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
ウーヴェ・グロット指揮
ニュージーランド交響楽団
(Naxos 8.572742)

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