今回のマイ・コレは、モーツァルトのピアノ協奏曲の第20番と第24番のものを取り上げます。マッケラス指揮、スコットランド室内管弦楽団で、ピアノはアルフレッド・ブレンデル。
モーツァルトのピアノ協奏曲を全曲取り上げた時にも触れている演奏です。
モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
http://yaplog.jp/yk6974/archive/133
モーツァルト ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
http://yaplog.jp/yk6974/archive/137
この二つはいずれもモーツァルトのピアノ協奏曲のなかでも短調の曲であり、さらにモーツァルト自作のカデンツァが遺されていない作品です。モーツァルトの作品の特徴である短調の繊細な美しさを楽しむだけでなく、ピアニストの力量も聴ける一枚です。モーツァルト自作のカデンツァがないということは、ピアニストが自分で即興で埋めなくてはならないことを意味するからです。
私も幾つかこの二つは別のピアニストの演奏を聴きましたが、まだこのブレンデル以上のカデンツァにお目にかかったことはありません。どれも素晴らしい即興演奏なのですが、ブレンデルの場合、彼がきちんと作曲をしているという点で素晴らしいのです。
実は、私は図書館からブレンデルの旧作である、マリナー指揮、アカデミー室内の演奏も借りてきていますが、まったくカデンツァは変わりありません。つまり、ブレンデルは1970年代からずっと同じカデンツァを使ってきているということになります。それは、それだけ完成度が高く、聴衆からの評価も高いことを意味します。
神奈川県立図書館所蔵CD:ブレンデル/マリナーのモーツァルトピアノ協奏曲2
http://yaplog.jp/yk6974/archive/440
神奈川県立図書館所蔵CD:ブレンデルが弾くモーツァルトピアノ協奏曲第24番・第25番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/447
神奈川県立図書館で借りた旧作とこの新作とどこが違うのかと言えば、演奏面では透明感だと思います。モーツァルトの短調作品が持つ、心境風景のような透明な世界が、この新作には広がっています。
マッケラスとスコットランド室内管のサポートも、その透明感をしっかりとサポートして、古典派の協奏曲らしく会話しています。端整な演奏から生み出されるドラマティックな世界は、何度聴いても飽きません。
そのことが、私をモーツァルトのピアノ協奏曲へ目を向けるきっかけとなった、実はエポックメイキングな一枚なのです。何が何でも取っておきたい一枚の一つです。そもそも、この一枚を買ったのだって、モーツァルトのピアノ協奏曲が全曲聴きたいと思い立ったのがきっかけでした。ただ、当時解説がないのが嫌だったのすでに番号順でそろっていたナクソスではなく、この国内盤を選んだのですが、結局番号順で図書館で借りてくることに繋がったのもこの一枚からです。
いろんな思い出が詰まっている、そして今でもよく聴く一枚です。
聴いているCD
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
サー・チャールズ・マッケラス指揮
スコットランド室内管弦楽団
(ユニヴァーサル PHCP11175)
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