東京の図書館から、今回から4回シリーズで、府中市立図書館のライブラリである、ヨゼフ・スークとヤン・パネンカのコンビによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集を取り上げます。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタに関しては、すでに神奈川県立図書館で借りてリッピングしてあるものと、ハイレゾを購入したものとがありますが、さらにこの全集が加わったことになります。
それにしても、府中市立図書館の全集収集率は高いです。しかも、それは神奈川県立図書館に匹敵するという・・・・・さすが東芝と自衛隊がある街です。
この全集を借りた動機は、まさにヴァイオリニストがヨゼフ・スークであることです。ヤン・パネンカもピアノが必要な室内楽作品ではスークとのコンビがおなじみなので、この演奏はよさそうだなと思い、借りたのです。
4枚組のまず1枚目には、作品12である第1番~第3番までを収録。このスークの演奏は意外とアインザッツも強め。それでいて繊細さも併せ持ち、聴いていて爽快です。
もちろん、弦楽四重奏曲などでは、かなり強めのアインザッツが特徴であるアルバン・ベルク四重奏団なども素晴らしいですが、ソナタだとやはりスークなどの旧東側のヴァイオリニストもいい味出しています。アインザッツが強ければいいってものでもないですし。
その意味では、私としてはベートーヴェンの室内楽においては、ライブラリとしてアインザッツが強いものとそうでもないものの二つをそろえておくといいと思います。人間の感情としてかなり強い時とそうでもない時とがあります。その時々に応じて、聴く演奏を使い分ければいいだけです。というより、使い分けるほうがより人生は豊かになると思います。
そんな気持ちもあって、あえてこの全集を借りてきた次第だったのですが、こう当たりの演奏を聴きますと余計に喜びは倍増します。
この演奏を、いつも通りDSEE HXを動作させて聴いていますが、特に高音部における空気感がいいですね~。元音源はDENONだったと思うのですが、この録音に関してはいい録音だと思います。
つい、ヴァイオリニストの演奏に注目しがちですが、そもそもピアニスト・ベートーヴェンの作曲なのですよね。実はピアノパートも聴きどころ満載なのですが、そのパネンカのピアノもしっかりと拾う録音が素晴らしい!ベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ」とは何か?がよくわかっている演奏であり、そして録音だと思います。
聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調作品12-1
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調作品12-2
ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調作品12-3
ヨゼフ・スーク(ヴァイオリン)
ヤン・パネンカ(ピアノ)
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