今月のお買いもの、11回に渡りまして、樫本大進とコンスタンチン・リフシッツによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集を取り上げます。平成30年4月、e-onkyoネットストアでの購入で、ハイレゾです。
ワーナーからCDで出ていたこの演奏も、現在はハイレゾとなっています。まあ、リフシッツなのでどうかなあとは思ったのですが・・・・・樫本大進となら、まあいいかなと。値段も3000円ほどと安かったので。
樫本大進は、ベルリン・フィルのコンサートマスターもやるなど、現在乗りに乗っているヴァイオリニスト。そんな彼とコンビを組むのが、バッハの大家と持てはやされるリフシッツ。けれども、先日エントリを挙げたように、リフシッツは必ずしもバッハの演奏には向いていないと私は思っています。
神奈川県立図書館所蔵CD:バッハ「音楽の捧げもの」
https://yaplog.jp/yk6974/archive/1817
むしろ、このようにどんな作曲家の演奏でも、コンビを組むほうが向いていると思います。特にこのベートーヴェンでは、樫本のヴァイオリンと対等に、作品の内面を引き出すことに成功しています。
さて、ハイレゾなので、どうしても全集を購入しますと全曲全楽章がそれぞれファイルとなって一つとしてDLされることになります。つまり、フォルダが作品ごとではなくて、全集丸ごと、なんです。このベートーヴェンでも同様で、後は聴く人に編集を任せるって感じです。
ですので、自在に聴けるのは良いんですが、このようにエントリを立てて書く場合、さてどうしようかと考えるわけです。大抵全集では私は作品番号順にご紹介しますので、今まで同様第1番から一つずつご紹介することにします。
まずは第1番です。以前もご紹介しているので作品の解説はウィキに任せることにしましょう。
ヴァイオリンソナタ第1番 (ベートーヴェン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3)
ちょうど交響曲第1番が成立する前夜って感じの時期の作品だけあって明るい作品ですが、その明るさを、存分のよろこびをもって表現しているのがいいですね!樫本のヴァイオリンが存分にポルタメントし、そのことがカンタービレにつながっているので、聴いているこちらは本当にうっとりしますし、楽しく自然と喜びが沸いてきます。
そのカンタービレに、リフシッツがしっかりとついていきサポートしつつ存在感も満載なんです。なーんだ、できるじゃない!って思いますよ。バッハだとどこか構えてしまうリフシッツも、ベートーヴェンだとそれほどでもなくむしろのびのびしているのが不思議です。ベートーヴェンのほうがこじんまりとしてしまう演奏者も多い中で、のびのびと自分の演奏を出すことができるのは、さすがだと思う反面、これがバッハでできればいいのにって思います。
樫本のヴァイオリンが、リフシッツの良さを引きだしている部分もあるのかもしれません。アインザッツやポルタメントの使い方が、ピアニストに対して感情を引きださせるのに適しているのかもしれません。第1番から実に素晴らしい演奏が鳴り響くのは、全集を買ってよかったなあと思う瞬間です。決して安くないですからね、ブリリアントや中古と比べれば・・・・・
以前取り上げた図書館の音源に比肩する演奏がいきなり聴けるのは、本当にうれしいことだと思います。こういうことがあるから、ハイレゾの購入も楽しいのですよね。
聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調作品12-1
樫本大進(ヴァイオリン)
コンスタンチン・リフシッツ(ピアノ)
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