かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

音楽雑記帳:これからのオーディオを俯瞰してみる②ポータブル型

音楽雑記帳、2回シリーズで取り上げている、オーディオの未来を俯瞰するシリーズ、今回は第2回として、ポータブル型を考えてみたいと思います。

今オーディオで絶好調なのはポータブル型です。携帯音楽プレーヤーが主役であり、そしてその周辺機器が売れていることも、絶好調ぶりを物語っています。

ソニーの「Walkman」が開いた、携帯音楽プレーヤーという「地平」は、「音楽を持ち出す」というように言われますが確かにそうです。そしてそれはメディアを持ち出すことも意味しています。

音楽を再生するには必ずメディアが必要です。携帯音楽プレーヤーの歴史は、その持ち出すメディアの歴史でもありました。カセットから始まり、CD、MD、そしてmicroSD。そしていまやメディアは持ち出さず、電波でサイトからやり取りする(Bluetoothなど)という時代になっています。

音楽を「持ち出す」ために、持ち出すメディアをどうするのか・・・・・それがポータブル型が追い求めてきた歴史です。そしてついに、持ち出さず電波でやり取りするという時代にまでたどり着いた現在、その未来は一体どうなっていくのでしょう?

私は当面、メディアを「持ち出す」のと「持ち出さず電波でやり取り」という二つが同居すると見ています。ソニーの「LDAC」は優れたコーデックですがまだまだ不完全なところもあり、特にハイレゾflac192kHz/24bitを聴いている私としては、まだまだ有線に軍配が上がります。そのためメディアを「持ち出す」ことはまだまだ意味があると思っています。

一方で無線の技術革新はすさまじく、今やイヤホンですら無線、という時代です。すでにスマホで音楽を聴いている人には、サブスクサイトとスマホ、そしてスマホとイヤホンをそれぞれBluetoothでつないで聴いている、なんて人も多いのではないでしょうか。特にソニーのLDACはflac96kHz/24bitまでをカバーするため、クラシック以外のジャンルではそれで十分なため、すべて無線でという人は便利に思うはずです。

視点を変えますと、音楽を「持ち出す」環境として、徒歩と自動車という二つの環境もあります。徒歩ならBluetoothでもいいかと思いますが、自動車だとなかなか難しいという側面もあります。それは電車でも一緒だともいえますが、電車なら都市部が多いわけですが車だと郊外ということも普通です。そうなると、電波がカバーできる範囲を超えることもあります。

その意味で、カーオーディオを無線でというのは、今すぐはなかなか難しいのでは?と思います。自動運転の技術などがさらに進化して、ほとんど人の手を借りないという時代が来ない限り難しいかも、と私は思っています。ですのでカーオーディオではまさしくメディアが持ち出されることがしばらく続くでしょう。すでに多くのカーオーディオが有線接続端子を持っており、携帯音楽プレーヤーとつなげられるようになっていますし、端子がなくても無線で接続できるようにはなっています。

そうなると、カーオーディオも基本的にメディアを内包せず、外付けでという時代になってきています。後は接続を有線もしくは無線で、というのが主流です。もっと言えば、カーオーディオはすでにアンプだけ据え置きとし、メディアは携帯させるという形になっています。その分先進的に見えるかもしれませんが実は日本のカーオーディオはほぼすべてがハイレゾ対応になっていません。スピーカーが対応できていないのです。当然でしょう、その分自動車の価格は上がることになりますので。

確かにカーオーディオだけ単体で売ってはいます。しかしその時、スピーカーまでというのは少数です。工事費がめちゃくちゃ上がりますので・・・・・となると、カーオーディオをハイレゾ化するのに最も手っ取り早いのは、カーオーディオとは別に携帯音楽プレーヤーに繋げられるハイレゾ対応のポータブルスピーカーを自動車の中にもちこむこと、です。その点ではソニーのSRS-HG10やそれ以降のソニーのポータブルスピーカーはまさに室内というよりは車内に最適、ということになりましょう。

こういった点で、スマホも含めた携帯音楽プレーヤーのほうが「使い勝手がいい」という視点で、圧倒的に売れていると言えましょう。そりゃあ据え置き型は減るわなあと思います。音楽を聴く環境が必ずしも室内、それも大勢がいる場所とは限らなくなってきている時代なのですから、当然だと言えるでしょう。様々な音楽鑑賞の環境が現在には存在する、というのが売れているオーディオを作り続けているオーディオ各社の認識ではないでしょうか。

纏めてみると、まず近い未来は次のようになっていくと思います。

①携帯音楽プレーヤーとイヤホンを有線もしくは無線でつなぐ
②メディアをプレーヤーが「内包する」のと「内包しないで無線で」という二つが存在

そして、遠い未来はおそらく、

①携帯音楽プレーヤーとイヤホンは無線
②メディアをプレーヤーは内包せず、無線で

という形になっていくでしょう。もしかすると、カーオーディオ自身がアンプとプレーヤーという時代が再び来るだろうと思います。それはカーナビがすでに無線で最新情報をやり取りし、HDに保存するという時代になっているからです。この技術は無線でのやり取りが当たり前になればすぐ応用できるものです。カーナビとカーオーディオのメーカーにはすでに境目がありませんし、すでに車載カメラメーカーとカーオーディオメーカーも境目が無くなっています。それは無線技術の進展が生み出したものです。カーオーディオはその延長線上になっていくでしょう。

一方でWalkmanなどの携帯音楽プレーヤーは、一番最後に無線化が完了すると思っています。それは技術的に難しいというのもありますが、それは「音質」というものを最大限追求した結果移行するとみているからです。特にクラシックファンが納得する音質になるまでは、携帯音楽プレーヤーにメディアを搭載し、それを有線イヤホンで聴くというのは残っていくだろうと思うからです。ソニーが現在のスマホでイヤホンジャックを復活させたのも、ひとえに音質の問題です。私自身はそれは歓迎なのですが、一方でソニーXperiaではmicroSDを内蔵させないという方向にも舵を切りました。

こうなると、次もXperiaでと考えていた私などは、次のスマホをどうするかは悩ましいところです。ですがこれが過渡期の携帯音楽プレーヤーの実態なのだろうと思っています。格安スマホに乗り換えてソニーWalkmanにするという選択肢も再び浮上したなと思っています。あるいは特段ソニーにこだわらず現キャリアで買い替えて、音楽はソニーWalkmanという選択肢もあるでしょう。いずれにしても、再びスマホと携帯音楽プレーヤーという選択もありだと、この過渡期では思っています。そもそも音質としてはWalkmanハイレゾなら絶対ですし。まあ、まだ2年くらい時間はあります。

私自身、次世代のオーディオを考えながら、次のスマホを考えようと思っています。それは自然と、オーディオの未来を見据えていくことになるでしょう。

 


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