かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

音楽雑記帳:これからのオーディオを俯瞰してみる①据え置き型編

音楽雑記帳、今週と次週の2回に渡り、「これからのオーディオを俯瞰してみる」と題して語りたいと思います。

まず第1回の今回は、据え置き型の未来。据え置き型って?って思うかと思います。要するに、単体コンポを問わず、据え置いて使用するデッキを指します。

以前はアンプはPCとつなぐということをあまり考慮しないデッキが多かったのですが、現在はPCとつなぐことを「考慮する」ものと「考慮しない」ものとにはっきりと分かれてきたように思います。

しかもそれは、値段が高い安いという違いではなく、音楽をどのように再生させるのかという方向の違いで、差が出てきているように思います。つまり、ハイレゾまで含めて鳴らすのか、ハイレゾは考慮に入れず鳴らすのか、です。

ハイレゾまで考慮に入れるということは、デジタルの素材をいかに臨場感あふれる音で鳴らすのか、ということを意味し、その技術でもってアナログもいい音で鳴らす、という思想です。

一方、ハイレゾを考慮に入れないということは、基本的にアナログデータをいかに臨場感あふれる音で鳴らすのか、ということを意味します。そしてその技術でもってデジタルデータもいい音で鳴らすけど、それはCDまで、という思想です。

もっと分けるとすれば、巨大なデータをいかに処理し、自然な音として再生するか。そしてもう一方は、少ないデータにいかに色付けして自然な音として再生するか。この違いだと言っていいでしょう。

ただ、方向としては、「強大なデータをいかに処理し、自然な音として再生するか」という方向になりつつあります。そしてそれは、コンポであろうが単体であろうが、ハイレゾ再生を念頭に、PCとつなぐことを前提としています。

パナソニックのSC-PMX90はコンポでの筆頭と言えるでしょう。最近はDENONもそういったコンポを出しています。

panasonic.jp

www.denon.jp

単体では、CDなどもまだまだ単体でデッキとして売られていますが、アンプと絞りますと、やはりハイレゾ対応でPCと繋げられることが一般的になりつつあります。ハイレゾを推進してきたソニーはもとより、どちらかというとアナログデータ再生の高級機メーカーと言ってもいいアキュフェーズですら、アンプのほとんどがハイレゾ対応でPCに繋げることを前提にしています。

www.sony.jp

www.accuphase.co.jp

www.marantz.jp

マランツも掲載しておきましたが、こう見てみると、高級機においてはハイレゾに対応するのが普通となっています。アキュフェーズはデフォルトではないんですが、それでも追加でジャックがつけられるのは魅力的です。おそらく受注生産ゆえだと思います。これは優れた選択をしたなあと思います。まだまだこの国ではハイレゾは一般的な音源とは言い難いので・・・・・上手にやったという感があります。

今どきはPCでも私の様にタワーではなくノートを選ぶ人の方が圧倒的に多いことを考えますと、これらのメーカーの戦略は決して間違っていないと思います。ただ、できればアクティヴ・スピーカーの開発もしてほしいなあというのが本音ですが・・・・・

私が使っている、ソニーのSRS-HG10は本当に優れたポータブルスピーカーで、いいアンプも積んでいます。だからこそアクティヴ・スピーカーとして使っても何ら違和感がないのですが、PC周辺機器としてのアクティヴ・スピーカーだとなかなか数が広がっていないのも実情です。まだまだCD程度のデータを前提にしているんですよね。サンワサプライだとかバッファローなどは、オーディオメーカーへと脱皮する絶好のチャンスだと思うのですが・・・・・

ソニーが、PCとつなぐこともできるが、基本Bluetoothで離して使うポータブルスピーカーという路線を鮮明にしたため、私としても次期PCスピーカーはソニーという選択肢はほぼなくなったように思います。ソニーが嫌いというわけではなく、ソニーが選択した方向性は私が構築し続けていきたいコンポーネントとは違うからです。ただ、ソニーの方向は意外にも、カーオーディオを変革するかもしれません・・・・・カーオーディオほど、ハイレゾ対応が遅れている業界はないからです。それは次回語りたいと思います。

いずれにしても、もし今のSRS-HG10からスピーカーを替えるとしたら、現段階ではいわゆる中華DACにスピーカーをつなげるか、同じ考え方で既存オーディオメーカーのコンポをつなげるか、だと考えています。勿論アンプはそもそもDACなので、アキュフェーズやマランツのアンプを使いそれにスピーカーという選択肢もあります。しかしそれはかなーりお高いので・・・・・やはり、コンポーネントをPCに繋げる、というのが次期だろうなあと思っています。

そして、中華DACが売れているということを考えると、オーディオメーカーもコンポをPCに繋げる、というのが一般的になっていくだろうと思います。ソニーは現在販売していませんがパイオニアがアンプとスピーカーのみのPC接続を前提としたコンポーネントを販売しています。これはまさに中華DAC対抗と言えるでしょう。

いずれ、パナソニックDENONのいわゆる「CDレシーバー」はCDが無くなって、アンプだけになる時代が来るでしょう。必要に応じてPC側に繋げればよい、という時代になりそうな気がします。だからこそ、「オンキヨーにはまだ未来がある」と、私は書いたのでした。音質にこだわるオンキヨーが、ハイレゾ対応でPCとつなげるのが当たり前で単体でも使えるよ、というシステムをもっと上手にプロモーションできれば、中華DACにやられてしまって・・・・・などというオーディオファンの嘆きに応えることができるように思いますし、私自身もワクワクします。クラシック音楽にはめっぽう相性のいいオンキヨーのアンプとスピーカーで聴くハイレゾ音源は、どんな更なる深みや自然さを表現してくれるのだろうかと考えるだけで、量販店へ行って試聴してみたくなってきます。

そういう「ワクワク感」を、オーディオメーカーが値段に限らずファンに提供できるか。そこに、「据え置き型」の未来はかかってくるだろうと思います。

 


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