かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

音楽雑記帳:CDがハイレゾになる?アップスケーリングとアップサンプリング

音楽雑記帳、今回はちょっとオーディオの話をしたいと思います。

昨年から、私はPCで聴くアプリをもともとPCに入っていたGrooveミュージックからソニーのMusic Center for PCに替えました。或いはCDだけはHi-Res Audio Playerにしています。これはWAVあるいはCDをハイレゾ相当で聴いて発信してみようという試みです。

Groove ミュージックはWindows 10に入っているアプリで、ハイレゾの再生もできます。それはそれで優れモノなんですが、いろいろ調べてみると音質の点で問題点があることが分かったのです。それはそれで満足はしていましたが・・・・・

ソニーのポータブルスピーカーSRS-HG10にPCのスピーカーを替えてから、本格的にPCで音楽を聴く生活が始まり、デッキは埃をかぶりCDトレイはもう動かなくなっています。それだけPCで音楽を聴いているほうが長くなったわけです。当初はPCで聴くなんてデッキの代替えでしかないと思っていたのですが、実はPCでもデッキに負けないだけの性能を持っていることがわかったのです。それがRealtek High Definition Audioです。

これは、windows PCでは標準装備されている音楽ドライバでして、USBでの出力で192kHz/24bitまでに対応するオーディオドライバです。つまり、PCでも高水準の音が再生できる性能をもともと持っていることを示しており、問題はPC搭載のアンプとDAC(デジタルアナログコンバータ)であることは、随所で述べてきましたが今回改めて示しておきます。これはこの手の話題をするときに常に出てくるものですので、覚えていただけると幸いです。

こうすると、それだけでノイズなどが低下して音質の向上につながるのですが、実はアプリがGrooveミュージックだと向上には限界があり、排他モードを選択できないという問題が発生しました。これに関しては別途エントリを立てますので、今回はそのような問題があるんだという理解をしていただけると幸いです。

そこで、その問題を解決するために、Music Center for PCとHi-Res Audio Pleyerの二つを採用した、というわけです。前者にはちょっと問題点もありますが同じソニーのアプリでして、そして二つともアップスケーリングして再生する機能を持っている(後者は強制的にそうなります)のが特徴なのです。

Music Center for PCの場合は、ソニー得意のDSEE HXという、mp3音源でもハイレゾflac192kHz/24bit相当に変換しながら再生するという機能がついており、ワンクリックで選択できます。Hi-Res Audio Playerの場合はDSD1kHzに変換して再生するという機能が通常でついており、どのファイルでもDSD1kHz相当に変換して再生します。あえて今回はこの二つのハイレゾファイルの種類には触れないでおきます。ただハイレゾには二つの記録方法があるんだと覚えていただければいいかと思います。

そのどちらかであったとしても、この二つのアプリはアップスケーリングという方法でハイレゾ相当にしている、ということなのです。これは再生しながらハイレゾ相当の音質で再生するということを意味する言葉で、ちょっと前まではそれは周波数とビット数の二つを上げることを意味していました。

もう一つ、ハイレゾ相当にする方法が、アップサンプリングです。これはちょっと前までは周波数だけを上げることを意味していたのですが、dBpowerampというアプリが出てから状況が変わり、すでにある音楽ファイルを再生なしに希望する周波数とビット数に変換することを意味するようになりました。

例えば、CDは44.1kHz/16bitの音楽ファイルですが、それを192kHz/24bitと指定してリッピングして変換させることをアップサンプリングと現在は呼びます。それができるアプリこそ、dBpowerampです。ちなみにdBpowerampではCDをDSD1kHzへ変換してリッピングすることも可能です。ただ今すでにあるファイルをハイレゾ相当にするものは周波数だけがアップサンプリングできるようで、そのアプリがupconvです。

え、ということはハイレゾなんて買わなくていいの?と思うかもしれません。いや、まだそのCDなどを持っていないなら、私はハイレゾをお勧めします。ただ、CDだからと言ってそれ以上の音質が求められないかと言えばそうではないということを言いたいのです。これらは「疑似ハイレゾ」とも言われます。あくまでもハイレゾに似せたわけなので。録音した時にどのような数値で記録したのがわからなければ、それはハイレゾ相当としか言えませんし、そもそもハイレゾの定義は、基本的に録音した時にflac96kHz/24bit以上、DSD1kHz以上の音楽ファイルであること、です。

https://www.jas-audio.or.jp/hi-res/definition

上記サイトは日本オーディオ協会のサイトですから、再生に関することで定義づけしていますが、要するにハイレゾのマークをつけるためにはflacで96kHzx/24bit以上、DSDで1kHz以上で記録された音楽ファイルが再生できること、です。ですからそもそも該当の音楽ファイルが録音された時にflac96kHz/24bit以上、DSD1kHz以上でないとハイレゾとは言えないわけです。それを私たちは購入するときに記載されている周波数とビット数を見て判断するわけです。

ですが疑似ハイレゾはそもそもが44.1kHz/16bitでもともと記録されているものをflac96kHz/24bit以上、DSD1kHz以上で「とりあえず」再生してみる、というものなのです。そう、ポイントは「とりあえず」という点なのです。ビットは音の細かさを意味しますから、16bitが24bitになるだけで、実は隠された音が表面に出てきます。いいアンプなら16bitでも引き出せる音が、24bitにするだけで簡便に表面に出てきます。後は周波数が上がれば音圧という点で音に包まれる感覚になります。そうなるとホールにいるかのような感覚になる、というわけで、それがCDでも可能になってくるというわけなのです。それがアップスケーリングもしくはアップサンプリング、です。

とはいえ、もともとの周波数がCDの44.1kHz/16bitなので、記録された時がいくつだったかは私たちにはわかりかねるわけです。ですから「ハイレゾ」と断定することはできず「ハイレゾ相当」あるいは「疑似ハイレゾ」と呼ぶわけです。ですから、ハイレゾで音源があってすでにCDを持っている場合、ハイレゾに買い替えてもいいとは思いますが、ネットストアで出ているファイルがflac96kHz/24bitなら、待ってください。もしかするとすでにあるCDをハイレゾ相当にアップスケーリングもしくはアップサンプリングしても問題ないかもしれません。それなら買う必要がないこともあります。

例えば私の場合は、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツカンマーフィルの演奏によるベートーヴェンの第九がそれにあたりました。これはまだe-onkyoネットストアにありますが、確かflacだと192kHz/24bitが売られている最高値だったとおもいます。それなら、疑似ハイレゾにしてもそれほど問題はないはずです。ハイレゾファイルのほうがより現場に近いのは確かですが、いい音で再生できるのは疑似ハイレゾでも一緒です。CDをすでに持っているのなら売られているのが192kHz/24bit以上、もっと言えば例えばビット数が32bitになったとかなら購入を検討してもいいとは思いますが、PCが対応しないはずなんです。Realtek High Definition AudioはPCに搭載されているドライバでflac192Khz/24bitまで対応していると記載したはずです。つまりそれを超えるハイレゾファイルはPCは対応していない、ということです。ですから売られているハイレゾ音楽ファイルは押しなべてflacなら192kHz/24bitまでしかないはずなんです。

ですから、すでにCDを持っている場合は、アップスケーリングかアップサンプリングのほうが手っ取り早いんです。ただこれには欠点もあり、デッキによれば再生するときにギャップが入るのです。アップサンプリングはそもそもファイルをハイレゾ相当にするので問題ないですが、再生しながらハイレゾ相当にするアップスケーリングの場合は、デッキによってはギャップが入ります。例えば、Hi-Res Audio Playerでは楽章がつながっている場合は必ずギャップが入ってしまいます。ではそれならダメなのかと言えば、ならアップサンプリングしてファイルをハイレゾ相当にしてMusic Center for PCで再生してしまえば問題解決です。

その点で優れているのが、実はMusic Center for PCなんです。XperiaのDSEE HXは再生時必ずギャップが入りますが、Music Center for PCなら入りません。今次に原稿を書くためにレスピーギ管弦楽作品集を聴いていますが、そのうち有名な「ローマの噴水」と「ローマの祭り」は実は楽章がつながっている作品です。それをDSEE HXを動作させて聴いていますが、ギャップが入らずに聴けているんです。どうやらメモリが関係しているようですが、とりあえず原因はわからないので、CDをWAVでリッピングするか、あるいは楽章をつなげてCDexflacリッピングし、Music Center for PCで再生すれば問題ありません。このように、アップスケーリングあるいはアップサンプリングでも工夫すればいくらでもハイレゾ相当で楽しむことができます。

ハイレゾはおすすめこそしていますが、そうしなければならないという代物でもありません。CDだからと言って実はその中にはハイレゾまではいかないけれど膨大な情報が眠っており、アップサンプリングやアップスケーリングといった「疑似ハイレゾ」はその眠っている情報を引き出す役割を果たすと言っても過言ではありません。その引き出された情報は確実に、あなたの「耳」を驚かせ、まるでホールにいるかのような錯覚に陥るかと思います。是非ともお試しあれ!

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。