かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

音楽雑記帳:「疑似ハイレゾ」の最適解はあるか?

音楽雑記帳、今回は結構行われている「疑似ハイレゾ」について語りたいと思います。

ハイレゾを購入してしばらくしてから、「疑似ハイレゾ」なるものがあり、実際に自分で作ることができることを知ってから、早3年ほどが経ちました。

所謂「アップコンバート」や「アップサンプリング」というものですが、それぞれPCやスマホに負荷をかけることから、敬遠する人も多く見られます。それは理解できますが、自分が持っているCDがハイレゾ相当で聴けるのなら、やはり実施してみたいと思うのが人情。

私も、二つの方法は常に使っていますが、最も使っているのが「アップサンプリング」です。ハイレゾ相当にしながら再生していく技術のことで、最も有名でよく使われているのが、ソニーのDSEE HXです。実際私もPCでもスマホでもこの技術にお世話になっております。

ただ、アップサンプリングの唯一の欠点が、さすがに疑似だな、と思ってしまう録音も多々ある、という点です。特にオーケストラ曲ですと、時にアップサンプリングは合わないなあと感じるものも存在します。ですが、DSEE HXは優れた技術です。特にPCにおいては、その性能をいかんなく発揮してくれることのほうが多いのです。

一方のアップコンバート。これには2種類あって、CDからリッピングしながらハイレゾ相当にするもの(例えば、dbpoweramp)と、ファイルになっているものをハイレゾ相当にするもの(例えば、upconv)の二つです。CDをリッピングしながらのものはWAVだと192kHzにはしてくれますが、bitは16のままであることがほとんどです。一方、ファイルをハイレゾ相当にする、たとえばupconvだと確かにPCに負荷がかかりますが192kHz/24bitにしてくれます。しかし、ファイルごとの音量の最大値が一緒になってしまうこともあることから、聞いているといきなり音が強くなってしまったりもするという欠点もあります。これだとクラシックで楽章がつながっている曲を聴くときにはマイナスに働きます。

そこで、私の最適解は、当面以下の通りとなっています。

①まず、該当する曲がアップサンプリングがふさわしいのか、アップコンバートがふさわしいのか判断する
②アップサンプリングで問題ないのであれば、flac44.1kHz/16bitでリッピングして、PCやスマホでDSEE HXで192kHz/24bitのアップサンプリング再生を行う
③アップサンプリングでは問題があるようであれば、WAV192kHz/16bitでリッピングしておき、それをflacへ変換したうえで、PCやスマホでアップサンプリング再生を行う

この際、最も問題になるのが、たとえばベートーヴェンの「運命」のように楽章がつながっている曲です。以前であれば、この手はdbpowerampでアップコンバートして、そのまま聴くという方法を取っていましたが、最近になって、これだと192kHz/16bitとなってしまうことが判明。16bitのままでいいとすればそれでもいいですが、やはりさらにいい音質を求めるならば、24bitにしたいものです。実際、プロの方では周波数は低めでも24bitにはしたいという人も大勢います。

そこで最近は、③を選択することで、PCやスマホの負荷を再生時には低くしながらハイレゾ相当にすることを選択することが多くなりました。しかしこれでは、ベートーヴェンの「運命」などは第3楽章と第4楽章の間にギャップが入ってしまいます。それを解決する方法はただ一つ、アップサンプリングを選択することとして、楽章をリッピングするときに繋げてしまう事、です。例えば、CDexを使って楽章をつなげてflacリッピングという、mp3と同じやり方をするのです。そのうえで、再生時にDSEE HXを動作させる、というわけです。

理想としては、DSEE HXを動作させずにPCやスマホに負荷をかけることなく再生することですが、これはなかなか難しいことがわかってきました。それはupconvの癖によります。

upconvは優れたアップコンバートアプリですが、一方でかなり癖もあるアプリです。コンバート時にPCにものすごい負荷がかかることもそうですが、もっと問題なのは、上記コンバート時に音量を最大値まで上げることが多いので、楽章がつながっている時には違和感しかないのと、コンバートする音楽ファイルがリッピングしたときにつなげたものだと、拒絶されることが多いことです。この二つは、クラシック音楽ハイレゾ相当にして聴くということを考えた場合、マイナスでしかありません。

なので、クラシック音楽の場合は、基本的にアップサンプリングでということが、最適解だろうと現在は判断しています。そのうえで、できるのならCDをdbpowerampでWAV192kHzでリッピングし、それをCDexなどでflacに変換、再生時に16bitのままの部分をDSEE HXを使って24bitへアップサンプリングしながら聴く、という方法が最適解だとしています。これが最もPCやスマホに負担がかからない疑似ハイレゾの楽しみ方であろうという判断です。

おそらく、将来的には、③が通常になるのかも、と思っています。実はWAVではアップサンプリングしながら楽章がつながっている曲を聴く場合にはギャップがでないことを、PCでDSEE HXを動作させて聴くときに確認済みです。しかしWAVではさすがにデータとして大きすぎます。なのでやはりflacに圧縮させる必要がありますが、そうなるとギャップは必ず出ます。ですがそれでもリッピングするときにアップコンバートしておきますとギャップも少なくて済むこともまた、実証済みです。これはなぜかと言いますと、要するに処理速度の差なんです。それは処理しなければならないデータ量の差だと言えるでしょう。flacは「可逆圧縮」ですから当然、小さくなっているものを元の大きさに戻しながら再生するわけです。その時にデータ処理速度は大きな差として立ちはだかります。解決方法はデータ処理速度を上げる事、実際には大きなメモリをPCなりスマホなりに積むことです。しかしそれはPCならまだしも、スマホではほぼ不可能だと言えるでしょう。

そのチャンスは、買い替え時にやってきます。スマホも新しいものは大きいメモリを積むようになっていますし、PCなら8Gとかのメモリが普通になっています。そのため、将来的にはdbpowerampで周波数のみアップコンバートしておき、足らない部分はアップサンプリングで補うというのが、通常になってくるだろうと想像しています。

皆様へお勧めとしては、とりあえず変換アプリとしてはdbpowerampを用意しておき、再生アプリとしては、DSEE HXなどのアップサンプリングの機能を持ったものを用意しておくので十分である、と言えるでしょう。クラシックファン以外の方は、upconvも用意して、チャレンジしてみるのもいいと思いますが、特にJPOPにおいては、あまり大きい周波数を好んでいない(例えば、あいみょんには48kHzまでしかDLが用意されていません)ために、使う必要があるのか、疑問に思うところです。処理速度からして、アップサンプリングでも十分な気がします。

いずれにしても、将来大きなメモリが積まれれば積まれるほど、疑似ハイレゾを楽しめる機会が増えるように思います。さて、オーディオはどのように進化していくのか・・・・・見つめていきたいと思います。

 


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